【雲の平・高天原と名山周遊】その1

【日 程】2001年7月23日(月) 〜 26日(木)
【山 域】北アルプス南部
【山 名】薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳
【天 候】すべて晴れ
【メンバ】単独(^_^)ニコニコ 
【コース】7/23 折立→太郎平→薬師岳→太郎平小屋泊
(概 略)7/24 太郎平小屋→薬師沢小屋→雲の平→高天原小屋泊
 7/25 高天原小屋→岩苔乗越→水晶岳→鷲羽岳→黒部五郎小舎泊
 7/26 黒部五郎小舎→黒部五郎岳→北ノ又岳→太郎平→折立


【駄 文】


*アプローチ
自宅を8時55分に出発、長距離運転は慣れたもの13時03分の米山サービスエリアまでノンストップで260q、さすがに腹が減ったので昼食休憩とするが食堂は混んでいる。本当はレストランに入りちゃんとした食事をしたいのだが、今回は諦めてファストフードの丼物をかき込む、それにしても暑い、気温は相当高いのだろう。早々にエアコンの効いた車内に逃げ込む。

約2時間で富山県に入り立山ICに着く、富山湾から水蒸気が舞い上がっているのが良く判り、目指す立山方面は雲の中、時折稲妻が煌めいて、今までの天気が嘘のような雰囲気だ。
高速を降りるとすぐに雨が降り出した。それも半端な量ではない。土砂降りの中、折立を目指して進む、途中食料品店を探すが見あたらない、仕方無しに目に付いたコンビニに飛び込むが、ろくな物を置いてない。取りあえずロックアイスと行動食用のパンと晩酌用のつまみを少々仕入れる。ここではビールを売ってない。行動食をもう少し補給したいのだが適当な物がない。次の店を期待して出発するが結局そのような店はなかった。

有峰林道のゲート手前の酒屋でその日のビールを仕入れ、ついでにこの先に食料を売る店はあるかと聞いたら無いという。今日は休日のため目当てのスタンドも休業、車の燃料も残り少ないのでそのまま折立に向かう。まあ何とかなるだろう。

16時12分折立到着、自宅から440q、その日は車中泊、路肩にも駐車してあるものの帰った人達が多いようで、楽々駐車スペースに入ることが出来た。水場に行きながら車のナンバーを見ていると日本全国から集まっているのがわかる。すぐ側にはキャンプ場(無料)もあり、テントを張って明日に備えている人もいた。すぐに明日登る登山口を下見、折立には売店があると聞いていたがそんな物はない。

車に引き返し荷物を整理し寝床を確保、まあシートを倒すだけの話だが、これはこれで結構難しい、相棒のS君の車には泊まったことがあるのだが、自分の車に泊まったことはない、フルフラットにしてみたのだが布団に寝るような感覚にはとても及ばない。それでもビールの誘惑に負け適当に乾杯、日が沈む前に薬師岳の稜線が夕日に映え突然雲の中から姿を現したのには感動した。明日登る予定の山だがとても高い。不安が脳裏をよぎるがもうすでにアルコールは脳髄まで達したようで睡魔が襲ってくる。

ここはテレビはもちろん、携帯、ラジオと電波を利用した物は一切使えない。唯一可能なメディアはBSくらいなもの、そういえばゲートの管理人室にはパラボラアンテナがついていたっけ、、、、、




*7月23日(月)折立から薬師岳


折立(5:00)---(6:19)三角点(6:24)---(7:27)五光岩ベンチ(7:41)---(8:18)太郎平小屋(8:36)---(8:55)薬師峠(9:00)---(9:32)薬師平---(10:26)薬師岳山荘(10:42)---(11:30)薬師岳山頂(12:17)---(12:50)薬師岳山荘(12:55)---(13:17)薬師平---(13:47)薬師峠---(14:10)太郎平小屋


何とか予定通りの時間で出発することが出来たものの、歩き出して暫く何か忘れたような気がしてならない、登山計画書を投函しながら考えていると何と帽子を忘れてしまったようだ。あわてて車に駆け戻る、のっけから嫌な予感がする。それでも気を取り直し、ゆっくりと登り始める。
三角点まで500mの登り、久し振りの山歩きの為、汗ばかり出てピッチが上がらない、もっとも日頃のトレーニングなど何もしてないから自業自得である。呼吸に気をつけ足が止まらないようにゆっくりと歩を進める。焦っても仕方がないのだ。亀どころかまるで蛇のように蹌踉とした足取りで登って行く。

それでも人の力とは偉大なもので、三角点に辿り着くことが出来た。このころから下山者と頻繁にすれ違う。したたり落ちる汗と遠くまで轟く喘ぎ声に恐れをなしてか、下山者は蔑みの目を以て通り過ぎる。これでは熊さえ寄りつくまい。登山口でフルボトルにした水筒もほとんど底をつき、這々の体で五光岩に辿り着く、ここから太郎平小屋まで地図上では1時間半も掛かる。ふと傍らの下山者に自嘲気味に問うと、下りに30分しか掛からないから、そんなに掛かるはずはないと慰められる。

何とか太郎平に到着、ザックを放り投げ休憩、冷たい水を探すが見つからない。仕方なしに水筒の残りの水で我慢する。
犬を巨大なザックに乗せてテン場に向かうご夫妻が何ともユーモラスだ。
ここから薬師峠まで木道が続く、幕営地にはすでに数張りのテントが設置済である。今日は薬師岳山荘泊の予定なので水場で水筒を補給フルボトルにする。ザックの重みがさらに肩に食い込む。

薬師平に着いた頃雲の切れ間に槍が姿を現した。一年ぶりの再会である。暫し呆然と佇み見入るが、すぐに雲の中に消えた。今日はいまいち雲の機嫌が良くない様子、気を取り直して急坂を登る。行き交う下山者は皆軽装だ。中には空身の人もいる。もう少し足が速ければ太郎泊まりにして空身で往復できたのにと思う。

やっとの事で薬師岳山荘に到着。荷物を置いて嬉しい空身でカメラだけ持って山頂に向かう。何と足取りの軽やかなことか、さっきまでの苦しさが嘘のようだ。石造りの避難小屋を過ぎ暫くすると山頂、数人の人がいる。久々の高峰の眺めを期待していたが、残念ながら赤牛岳がたまに見えるだけで後は雲の中、暫く粘るが一向に回復の兆しがない。諦めて下山に掛かる。しかしここのカールは絵に描いたように見事なものであった。頭の上をツバメがびゅんびゅん音を立てて飛び回っていた。

薬師岳山荘まで一気に下る。登りと違い楽なものである。ふと時間を見るとまだ昼1時前、天気は良いしどうしたものかと山荘の従業員氏に相談すると、2時間少しで太郎小屋まで下れるし、明日からの行程も楽になるから下った方が良いという意見、せっかくここまで重い荷物を背負い上げたのに、まあ、どっちが得か考えるまでもないので下ることにした。一体今日一日で、どのくらい登り降りしたのだろうなどと愚にもつかないことを考えながら下った。結果的に見れば、この日の行程が一番楽だったのだが.....

太郎小屋は畳一畳に一人でも空きが十分ある。3階に割り振られたが半分も埋まらない。朝食、夕食共に5時からとのこと、普段では考えられないような食欲でお代わりを繰り返す。北アの山小屋での食事はとても美味しい。最近「ハズレ」はないと周囲の人達と話し合う。

今日は予定より先に進んだので、明日からの行程をあれこれ考えながら8時には眠りについた。何という健全な生活だろう。


   
                                  薬師岳山頂より中央カールを見下ろす




*7月24日(火)  雲の平を経て憧れの高天原へ


太郎平小屋(5:40)---(7:12)薬師沢小屋(7:30)---(9:46)祖母岳分岐---(10:00)祖母岳---(10:28)祖母岳分岐---(10:38)雲の平山荘---(10:56)スイス庭園---(11:19)雲の平山荘(11:33)---(12:52)高天原峠---(13:15)岩苔小沢---(13:40)高天原小屋


昨日予定より少しだけ先に進んでいたので、余裕があれば高天原に向かいたいと思いながら出発する。この日が今回のメインルート(主目的地への)である。
薬師沢への下りは順調だ。急ぎすぎて足を痛めぬよう注意して下る。ルートも明瞭だ。途中何本か丸太で出来た橋を渡る。以前は鉄骨で出来ていたであろう橋は、そのほとんどが大きく曲がって沢に無惨に横たわっている。自然の力の大きさに驚く。(*_*)

帰ってから見た山渓に新穂高の穴毛谷の雪崩のことが載っていた。時速170キロで落ちてきたという。この辺も冬には大雪崩が発生するのだろうか。
薬師沢沿いの道は時にアップダウンはあるものの平坦で歩きやすい、何人もの後続者に道を譲る。皆さん足が速い。傍らのニッコウキスゲが愛らしいく、周囲の針葉樹林は原始のままだろうか。時に大きな朽ちた根を見かける、とてつもなく大きな時間の流れを感じる。人間なんてちっぽけなものである。

ガベッケヶ原のベンチで休んでいる人達を横目に先を急ぐ。暫くすると薬師沢小屋に到着した。ここは薬師沢と奧ノ廊下の合流点、吊り橋を恐る恐る渡っていく人達が目に入った。間近に見る黒部源流は翠に澄み渡り朗々と流れる。思わず手を入れ口に含むと美味しかった。
ここからは急登となるので暫し休息。小屋には岩魚の保護を訴える文面が張られている。最近は何処の沢も魚の数より釣師の方が多い様子、秘境と呼ばれるここも例外ではないのだろう。
文面によると黒部源流の岩魚は乱獲によりかなり数が減り、今は人工的に放流されているそうだ。高山植物の保護を訴えて採取禁止にするならば、岩魚だって貴重な山の宝物だから、採取禁止にしたっていいじゃないかというのが、保護している人達の訴えである。その活動の中心的な存在がここ薬師沢小屋の人達らしいのだが、文面によると、この小屋では釣った岩魚の調理は一切出来ませんと、断りの文書が張られているのだが、もう片方には焼き網の貸し出しを行っているので必要な方はスタッフまで申しつけ下さいと書かれている。不思議な小屋である。

小屋は小さいながらも良い雰囲気で、時間があればここで一泊したい感じ、黒部源流の音が心地よさそうである。次回の楽しみとしておこう。(^^;)

ここから雲の平には吊り橋を渡る。吊り橋は一人しか渡れず譲り合って渡る。年輩のご婦人達は怖がってなかなか進めず、おろおろしている。揺れに合わせて歩を進めると、とても楽しく渡れるのだが.....(^^;)
一旦沢沿いに暫く下ると分岐の標識、そこから急登を登り始める。沢をそのまま下れば大東新道と言うコース、約5時間で高天原の小屋に至る。先行するパーティーが道を譲ってくれたのはいいが、そんなに急いでは登れない。
特に最初の方が足場が悪く急だ。と思いきや暫く進むと今度はゴロゴロとした岩がとても滑る。ここは登りの方が安全だろう。下りは滑ってとても怖いだろうと思った。

噂通りここはきつい登りだ。途中樹林の切れ間に太郎平小屋が見えた。あそこからここまでワイヤーを張って、滑車で下ってきたら楽なのにと、とんでもなく馬鹿なことを考える。
時に水を飲み、甘いキャンディーを口に入れ、体を騙し騙し高度を稼ぐ、先行していたご夫婦が休んでいた。

「そろそろ上が明るくなってきたので森林限界が近いのでは」とおっしゃった。なるほど確かに明るくなってきた。言われるまで下ばかり向いていたので気付かなかったのだ。
程なく木道が現れほっとする。やっと雲の平の端に到着したらしい。朝の内はガスで見えなかったが今は晴れ渡り日差しが暑い。早速日焼止を塗る。

薬師や水晶が樹林の上に見えてきた。正面の大きな山塊はどうやら祖父岳のようだ。暫く歩くと黒部五郎が見えだし、彼方に小さく槍が姿を現した。
木道をどんどん行くと祖母岳への分岐に到着、皆ザックを置いて空身で祖母岳に向かっている様子、私もそうする事にし暫く進むと雲の平山荘が水晶の下に見えた。思ったより小さな建物だ。尚も緩やかな木道を進むと祖母岳山頂、ベンチとテーブルが拵えてある。

ここからは雲の平の全貌と、名だたる名峰が見渡せる。又の名をアルプス庭園とも言うそうだ。なるほどと手を打つ。
薬師岳から時計回りに赤牛岳、水晶岳、多分、祖父岳が邪魔して見えないが鷲羽岳、三俣蓮華との間に槍ヶ岳、抜戸岳から笠ヶ岳への稜線、そして黒部五郎岳、天気にも恵まれすべて明瞭に見渡せる幸せを堪能し時が経つのを忘れる。やっぱり山は晴れなきゃね(^_^)v


    
         雲の平 祖母岳 別名アルプス庭園から見た黒部五郎岳        雲の平 スイス庭園から 手が届くように思える水晶岳


特に槍と笠がひときわ目を引く、槍はどこから見ても槍だけど、笠もこちらから見るととても尖鋭な容姿だ。水晶もここから見るとどっしりとして風格がある。これほど名山が間近に見られる場所で晴れた幸運を感謝する。雲の平とは素晴らしいところだ。再訪を堅く心に誓う。

暫く一人で景観を独占していたのだが、一人のうら若き乙女が息を切らして登ってきた。聞けば雲の平山荘の従業員とか、ここは散歩するところがいっぱいあってとても楽しいという。記念写真をお願いすると快く引き受けてくれ、せっかくだから、スイス庭園まで足を延ばしてみたらとアドバイスを戴いた。

雲の平山荘前に荷物を置き、木道をスイス庭園に向かう。この辺りはハクサンイチゲやチングルマ、イワカガミのお花畑が一面に広がるこの世の物とは思えない別天地である。極楽浄土という言葉が頭に浮かぶが余りにも安直すぎるか。

緩やかな坂を上り左に進むと突然水晶がドーンと圧倒的な姿を現した。アルプス庭園で見るより数段の迫力だ。山頂がすぐ手の届きそうなところに見え、頂きに何人かの人影が望まれ暫し呆然と見入る。ほんとにここでは呆然と見入るばかりである。


    
              雲の平 スイス庭園から見た薬師岳                                雲の平 スイス庭園から見る赤牛岳方面の稜線


さらに木道を進むと行き止まりにベンチとテーブルがある。下はキレ落ちている。薬師と水晶に挟まれた遙か下方に、樹林帯に囲まれ高天原山荘が見える。又あそこまで下るのかと思うと気が滅入るが、水晶を見ているとそんなことはすぐに忘れた。
赤牛岳に続く稜線を見ていると、コース変更という雲(誘惑)が沸き上がって来たが、別の頂からは、温泉という雲も沸々と沸き上がり、結局温泉雲が勝ってしまい時間も早いので高天原に下ることにした。そうと決まればすぐに山荘までとって返し慌ただしく昼食を平らげ出発する。

分岐から一旦登り返し下ると雷鳥が一羽砂遊びをしていた。特別逃げる訳でもないので暫く観察していた。なかなか愛嬌があり可愛い鳥である。
道は又少しの間登り、そして下る。後ろ髪を引かれる思いというのは、こういうのだろうか、まだ雲の平には未練がある。暫く緩やかに下ると少し急になる。

ゆっくり下っていくと、途中で巨大なザックを背負った女性が単独でゆっくり登ってくる。一応挨拶するが返事を返してもらうのが気の毒であった。
尚も下っていくと樹林帯に道は入る。ここで様相は一変し、極楽から地獄へ落ちていくような錯覚を覚える。地図で見ると尾根伝いに道は続いているが、それよりかなり急に感じる。

時折ありあわせの木の枝で拵えたような梯子が現れる。作った人には申し訳ないが、頼りなげに感じたのは私だけか。途中一回スリップして尻餅をつく。誰も見ていないのはわかっていたが、日頃の習性かすぐに立ち上がり、辺りを見回しすぐに知らない振りをして歩き出す。(^^;)

大東新道に合流する前に、かなり道は緩やかになる。そこから岩苔小沢に向け又下る。いい加減うんざりしてくる。
沢には丸太で橋が架けられ、ザイルで手摺りが拵えてあり、プーンと針葉樹の香りがした。数人の人達が沢沿いの日陰で一服している。冷たい流れに手を入れ顔を洗い、喉を潤してから平坦になった道を高天原山荘目指して進む。振り返ると水晶が覆い被さるように高い。


    
          雲の平 スイス庭園から見下ろした高天原方面                            何度行っても良い高天原山荘


途中、岩苔乗越に向かう道が合流する。ベニヤの看板には岩苔乗越まで3時間30分と記してある。明日通る道だ。
山荘のすぐ手前には湿原があり、キスゲやワタスゲが咲いていて綺麗だ。ザックをおろして撮影していると、若い女の子が走って来て追い越し行った。多分仕事の時間にギリギリなんだろうと想像がつく。

そこからはすぐに山荘に到着、受付を済ませ荷物を置き何はともあれ温泉に直行、道は15分と聞いたが思いの外遠かった。途中分岐があり、新湯「ねむりの湯」ぬるめ150m 先と看板がある。一瞬迷ったが先に進むと程なく「からまつの湯」の看板、女風呂、混浴と書かれた下に「夢の平15分」の看板、見上げると、おばさんが水着を着て混浴の方にいるのが見えたので(ここまで水着を持参されたご努力に敬意を表します)一旦夢の平に向かうことにする。

思ったより長い距離を歩くと、水草が湖面にたなびく晶竜池に着いた。さして広くはないが趣のある良い場所だ。温泉の誘惑がなかったら、もう少しのんびりしていきたい場所だった。写真撮影後すぐにとって返すと、例のおばさんは川原で水着を洗っている。
駆け足で脱衣所に飛び込むと靴の紐を解くのももどかしい。少し熱めのお湯を頭から被ると少し落ち着いた。三日振りの風呂は格別だ。


  
                         夢の平の竜晶池  霧の日は幻想的な雰囲気だろう


下界では三日も風呂に入らないなんて考えられないが、山では無いのだから仕方ない。初めは熱く感じたが入っているとちょうど良い。湯は少し白濁し青空が映えブルーに見える。二本のパイプから勢いよく湯が流れて片方が少し温めである。ちょうど良い具合に頭上にカラマツの枝があり日陰を作ってくれ、約1時間心身とも解放しボケーッと湯に浸かる。まさに天国である。(~o~)

本当はもう少し入っていたかったのだが、関西弁の爺さんが数人入ってきたので譲った。どうも関西弁は苦手である、聞いてると頭の中を湯揉みでかき回されたような気がする。
以前の風呂は沢の左岸側にあったそうだが去年の土石流で流されてしまったそうで右岸側に急きょ拵えたそうだ。そういえばセメントがごつごつして尻が痛い。この沢が温泉沢と言って水晶岳への近道となるルートだというのが後から判った。


    
      高天原温泉の様子 右側が露天風呂 左側が女性専用風呂           高天原温泉の湯船 丁度良い湯加減は、ついつい長湯に 


湯から上がると、汗をかかないようにゆっくりと小屋に戻る。早速ビールで乾杯、極楽である。
東京からいらしたという60代のご夫妻と、50代の単独の男性と4人で小屋の前のベンチでビールを片手に夕食の時間まで山談義、こういう時間が楽しいのです。若い人は小屋の従業員くらいで登山者に若い人なんてほとんどいない、中高年の集まるところが北アルプスに定着したようだとみんなの意見。本当に70代の登山者なんて珍しくもない現実に言葉もでない。
尚、ここでの食事は本当に美味しかったです。

その2へ続きます。

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