【無念の虎毛山】

【日 程】2001年10月8日(月)
【山 域】秋田県南部
【山 名】虎毛山(1432.9m)
【天 候】濃霧
【地 図】エアリアマップ(38)栗駒・早池峰
【メンバ】単独
【コース】コース延長7km 標高差960m コースタイム3.5h
(概 略)(登山口で入手の登山案内より)

車道終点(7:05)---清水(7:23)---渡渉点(7:46)---高松岳分岐(8:48)---(9:22)山頂避難小屋(10:25)---高松岳分岐(10:47)---渡渉点(11:35)---清水(11:54)---(12:10)車道終点---ビレッジ栗駒温泉入浴---帰宅


早朝4時過ぎに家を出ると車のラジオから、タリバン攻撃のニュースが流れてきた。昨日の新聞に月の近くにオレンジ色の土星が寄り添って見えると書いてあったが、月は見えたがぼんやりしていてそれらしき星は見えない。一時間くらい見ていると土星が月を追い越していくのが見えると書いてあったが、諦めて先を急ぐ。

目的地まで2時間少しの予定、途中コンビニで食料を仕入れ先を急ぐ。エアリアの標示では、仙秋サンライン旧道の赤倉橋手前から降りていくかのように記されているが、旧道の分岐には通行止めのゲート、判らなくて付近をウロウロするが、少し秋の宮温泉側に戻ったら案内看板があり、そこから降りていくと登山口があった。朝早くの寝ぼけ眼には見えなかったようだ。

登山口の標示場所に大きな駐車場所があり、一台ワゴン車が駐車してあったので、そこから歩き出すが思いの外立派な林道なので、一旦引き返し車で先に進むと何台か先行者の車があったのでそこから歩き出す。木橋を渡って沢沿いに進むとコンクリートの土留めがある先に清水が湧いていた。ここで水筒を一杯にし歩き出すと渡渉点に到着、渡渉点とは名ばかりで立派な橋が架けられている。ここからおよそ高度差600mの急登の始まりだ。ちなみにここが最後の水場で、この先に水を拾えるところはない。登り初めから急な階段が続く、ブナの大きな枝が風で折れたのか登山道を塞ぐように道標を直撃している。ジグザグとした道が急登に延びる。

1000m付近は紅葉が盛期、サラサドウタンの葉がとても綺麗だ。登山道沿いの檜が新鮮に感じる、ブナは緑の葉から黄色へと移ろい高度を増すごと茶に染まる。途中で出会った登山者の話では栗駒の上の方の紅葉は終わったという。手にはキノコの入ったビニール袋、次第に風が強まりガスが降りてきた。決して眺望が良かったわけではなかったが、これでもう何も見えない。行き交う登山者は皆雨具を着用している。いくら登りでもTシャツ一枚の格好は奇異に映ったろうか。

高松岳分岐を過ぎると道はかなり緩やか、一旦下ってまた登る。途中かなりの人数のパーティーとすれ違う。皆大きなザックにヘルメット、中にはピッケルまで持っている人もいた。一体どこからやって来たのやら、山頂付近までやって来たらやたら風が強い。涼しいを通り越して手がかじかんでくる。麓ではそんな感じは全然なかったのだが、さすがに標高1500m付近では寒い別世界だ。一目散に避難小屋に逃げ込む。

以前、高松岳に登ったときにお世話になった小屋と、まるで同じ作りのようなこの小屋も2階建てでこぢんまりしていて良い。早速荷物を広げ念のため持ってきたフリースを着込むと落ち着いた。コンロでラーメンを作り早めの昼食を取り暖まる。後続の登山者も寒いを連発しながら駆け込んでくる。皆一様に残念がっている。せっかくだから合羽を着込み外に出てみる。木道伝いに暫く散策するが10m先も見えない。池塘がぼんやり見えただけ、晴れていれば360°のパノラマだというのだが(T_T)
結局楽しみにしていた虎毛は見れなかった。

すぐに小屋に駆け戻り、お茶を沸かしもう一度暖を採り、天気の回復は宝くじに当たるより低い確率のようなのですぐに駆け下る。登山口には、行きに無かった登山案内がビニール袋に入れてあった。それによると名前に虎、寅と言う字を持つ山の中で虎毛山は日本一の高さだそうです。鳥海山と月山を左右に従えた神室連峰の峻峰は虎毛山からだけのパノラマと言うことで、何も見ないで下りてきた登山者にとっては酷なパンフレットでした。天気の良い日にもう一度来なくては.....

最初に目に付いた峠の駅(ビレッジ栗駒)に入り、稲庭うどんをおみやげに買い、ついでに温泉に入る(300円)100%天然温泉と銘打っているだけあって家に着くまでポカポカでした。