【紅葉の神室山】

【日 程】2001年10月21日(日)
【山 域】山形秋田県境
【山 名】神室山(1365.2m)
【天 候】晴れ
【地 図】エアリアマップ(38)栗駒・早池峰
【メンバ】単独
【コース】秋田県側 役内口より
(概 略)登り「西ノ又コース」 下り「パノラマコース」

車道終点(6:35)---不動明王(7:45)---分岐(8:58)---(9:11)神室山山頂(10:32)---分岐(10:46)---有屋口分岐(10:57)---水晶森分岐(11:22)---(11:27)前神室山山頂(11:35)---(13:11)車道終点


早朝4時に飛び起き、窓から空を眺めたら星が見えてたので、そそくさと準備をし瞼が半分閉じたまま発車、今回は、すんなりと登山口に到着、駐車場はさらに奧にあるようなのでそのまま進むと前方で手を大きく振る人がいた。ひょっとして熊が出て通行止めかと思ったら、熊より大きいマイクロバスが林道をふさいでいてた。これじゃ熊も通れない。暫く待たされる。

堰堤のそばに駐車し準備をしていると団体さんが到着、彼らが朝食を食べている間に急いで出発する。パノラマコースはここから登り始めるようだが、西ノ又コースは林道を直進する。付近は砂防工事と伐採の為か車が入れる道になっていた。それでもおよそ10分程歩くと登山道らしい細い踏み跡に変わる。西ノ又川を遡るコースは途中2箇所の吊り橋を渡り不動明王のある最後の水場まで沢沿いにつけられた細い道をたどる。綺麗に色づいたブナの森には美味しそうなキノコもあるのだろうが、私にはとても美味しそうなツキヨタケしか見えなかった。

途中20人弱のパーティーが前にいて、親切に道を譲ってはくれるものの、自分のペースを崩して歩くのは結構しんどい。不動明王の水場で先行していたおじさんが、今年の紅葉はこの前の寒波の影響であまり良くないとぼやいていた。水筒を一杯にして急登に向かう。ここからおよそ400m は、胸つき八丁坂と言うそうだ。なかなか綺麗なブナ林が続く。時折木々の隙間から見える前神室の稜線は、今夏に登った薬師平付近から眺めた薬師岳を小さくしたような雰囲気だ。端正な山容は登行意欲をかき立てる。

暫く登ると森林限界を過ぎ視界が開ける。「御田の神」の池塘はその昔一年の作を占った場所と言う。ここからの山容も見事だ。一旦下り少し登り返すと一気に視界が開ける。虎毛山から宮城県側の山々のパノラマが見事だ。そのまま切れ落ちた斜面をトラバースぎみに進むと前神室からの道と合流する。ここから神室山頂までは両側が切れ落ちた道を進むとほんの一息だ。

初めての神室山頂は少し風が冷たいものの機嫌良く迎えてくれた。360°のパノラマでどちらを眺めても飽きることはない。新庄盆地は雲海の下、遠く鳥海の山容は優しい、ひときわ目を引くのが神室連峰の稜線、ずっと彼方まで稜線伝いに登山道が延びている。いつか杢蔵山迄の縦走に挑みたいと言う気持ちが沸々と沸き上がってくる。暫しの間景色を堪能してから山頂小屋に向かい早めの昼食をとる。今日は団体さんが多いようなので小屋も混むだろうと思いきや誰も来なかった。ラッキーである。

なかなかしっかりした造りの小屋で太い柱が印象的、中は綺麗に掃除されている。山頂ピストンでも結構泊まりの人達がいるようだ。天気に恵まれれば朝晩の景色がさぞかし綺麗だろう。いつか泊まってみたい。十分ゆっくりしてから出発する。
前神室山までは三つの分岐を通る。恥ずかしい話よく地図を見てこなかったので少し混乱した。水晶森の分岐を過ぎると道は少々藪っぽい。三角点のある前神室山頂で一休みする。西ノ又コースを挟んだ三角石山の紅葉のグラデーションが見事に陽光に映える。

パノラマコースは尾根伝いに下る景色の良いコース、灌木帯に入ると時折ハッとするような太い幹のブナが現れる。でも自慢げに枝を広げているブナほど風に痛めつけられている。
ここの下りは結構急で膝が笑う。雨の日などは苦労しそうだ。このコースは上り下り共にさしたるアップダウンが無く歩きやすい。そういう意味では私に合っているのかも.....

当然下山後はこの前行った峠の駅の温泉に直行、この温泉は本当に良い。道端の露店でキノコと稲庭うどんを仕入れゆっくりゆっくり帰宅した。