【古寺から大朝日往復】

  ※パソコン通信(死語か?)を始めて@niftyのFYAMA-TRKに初投稿したものです(^^;)

 さて標記の件、00/06/24(土)〜25日(日)の日程で行ってまいりました。ルートは、 古寺鉱泉→古寺山→小朝日岳→大朝日小屋(同泊)→大朝日岳→帰路同じ単独です。 天気は生憎の雨模様、視界は30m 程のガス模様、体調は日頃の不摂生のタタリで体重超過模様、今年初めての泊まりの山行としてはイマイチの状態ですが、気持ちだけははウキウキと行ってまいりました。

 24日 8時20分古寺鉱泉の駐車場を出発、周りには車が10台位は留まってたと思います。その中の茨城ナンバーの二人連れ美人おねえさんと出発が一緒になり、行き先を尋ねたら、小朝日まで行って様子を見て、たぶん鳥原小屋泊まりだろうとのこと、がんばってくださいと言って出発した。朝陽館に通じる木橋を渡りゆっくりと登り始める。途中の水場(一服清水)まで2年前は1時間半ぐらいかかったと思う。道は特別危ないところはない筈だし、ゆっくりゆっくり登る。

 今年の冬は2月に、かなりまとまって雪が降ったようで、3月19日に鳥海山の麓へ歩くスキーで遊びに行って、その多さに驚いたのだけど、この日も一服清水を過ぎてすぐの所に巨大な残雪が残っていて、数人の登山者がトラバースに悪戦苦闘しておられました。皆さんこんな所に雪が残っているのは記憶にないと言っておられ、私もヒヤヒヤで通過しました。
 古寺山まで1時間位、途中の三沢清水を楽しみに頑張ったのですが到着してガ〜ン、み、水が出てない、、、、(T_T)
残雪が多くいつもの年のように水源が露出してないのでしょう、ホースの先が雪の中に消えていました。ここの水はとても美味しくて毎回とても楽しみに登ってくるのですが、今回は必死に涙に耐え、あめ玉一つ口に放り込みすぐに出発しました。(シクシク)

 古寺山までにも登山道の所々に、残雪と折れたブナやダケカンバの枝や幹が行く手を遮り、下を向いて一心不乱に高度を稼いでいる私の頭を数度殴りました。注意してください、、、(>_<)

 いつもは古寺山で景色を楽しみながら大休止昼食となるのですが、この日は視界が悪く寒いのですぐに小朝日を目指して出発、途中、登山道を何ヶ所か残雪が切断しており、ガスのため方向が確認できませんでしたが、大体直進すればよかったと思います。ただ一箇所だけかなり急な雪の壁を乗越すところがありましたが、キックステップでOKでした。
 いつもは小朝日の巻道が途中にある筈なのですが、途中から諦めモードに入っていましたので分岐さえわからずに直登してましてあっという間に小朝日の頂に到着、後から考えると分岐は、たぶんまだ雪の中なのでしょう。また分岐が判って巻道を行ったとしても多分途中の雪渓をトラバース出来なくて戻ってきたと思います。まあ、結果オーライです。 小朝日の頂も視界が利かず風が寒いので少し下って昼食としました。

 ここから大朝日まで一時間少し、途中、銀玉水で水を拾い、新築なった大朝日小屋で宿泊宴会となる筈です。今回の山行は新築の大朝日小屋に泊まるのも大きな目的でした。私事ながら以前の大朝日小屋は山を始めて初めての単独山小屋泊まりでお世話になった小屋ですのでとても愛着があるのです。去年来た時に管理人のおじさんが取り壊して新築する旨を話してくれたので複雑な心境でした。稜線の小屋なので痛みも激しく外壁など所々剥げてきてましたし、いたしかたないかなという気持ちもありましたが、、、、、

 この辺から高山の花がボチボチ楽しめます。ヒメサユリは未だ多くが蕾でしたが早いのは可憐に咲いておりました。ハクサンチドリも可愛い姿を見せてくれます。私の好きなシラネアオイはここより下、古寺山から小朝日までの方がきれいに咲いてました。いつも山に来て思うのですが、シラネアオイのあの紫の何とも言えない美しい独特の色は、やっぱり山でしか見られないです。家の庭にも少し植えてあるのですが (泥棒したのではありません、、、くれぐれも誤解の無いように^_^;)  どうしてこうも違うのかいつも不思議に思います。

 銀玉水では普段の水場はまだ当然の雪の中、雪渓の水を拾うしかないです。親切にもオロナミンCの包装紙で汲みやすいように樋を作っておりました。小屋付近の水場は、ここと少し下って金玉水しかないのでまた下って登るのは勘弁して貰いたいので一晩保つように十分補給して行きます。ここから大朝日小屋までの間にはかなりの雪渓がありまして、やっぱり例年より大きい気がしました。ガスのためルートが判りにくいのですが、今年は関係者の努力(いつものことなのかは判りませんが ^_^;) により固定ロープが張ってあり、余裕で通過できました。ありがとうございました。雪渓の最上部で雪を拾い缶ビールを冷やしながら上を目指すとこの辺からウスユキソウとイワカガミの競演が始まります。個人的にウスユキソウがとても好きで早池峰山にそれ目当てで行ったこともあります。ここ朝日も以東岳までの縦走路上はそれは素晴らしいウスユキソウのお花畑が展開されます。今が一番いい季節でしょう。あの花を見てると何となく地球上の植物でないような気がしてきます。私は個人的に宇宙からのプレゼントと言ってますが、、、、、

 13時30分大朝日小屋到着、すぐにカメラとビールを持って大朝日岳に駈け登る。山頂で景色を楽しみながらビールを呑むつもりが、未だガスのため何も見えない、(?_?) これも日頃の悪行の報いと諦め、冷えたビールに感涙し暫し呆然と佇む。それでも山頂というのは気持ちのいいもので30分も居座るが、誰の姿も見えなかったので小山に下がり、小屋の中でしばらく一人で待つがここにも誰も来ない。淡い期待を胸にカメラと三脚を持ち宇宙からのプレゼントの撮影に飛び出し小一時間を過ごし小屋に入ると突然の雨、ここまで小雨模様ながら何とか合羽も着ずに過ごせたので良しとしようと一人諦める。

 新築の小屋はとても綺麗(当たり前か)で、以前より収容人数も断然増えたように思う。盛期にも余裕で休めそうで、何より内部の明るさが以前より数段進歩した。一人でいても全然暗くならず良い。おかげで酒が進んだ。

 トイレも何とか水洗式で綺麗で良い。おかげで酒が進んだ。

 19時になっても(去年はこの時間になって管理人のおじさんが登ってきた)誰も来ないので、この夜は嬉しい山小屋独占となり酒が進んだ。

 日没間際にガスが晴れ、遠くに月山の頂、すぐ近くに中岳、西朝日が姿を見せ、連峰の雄大さに見とれ酒が進んだ。

 何しろ、いくら酔っても苦情を言う人が誰もいないことをいいことに酒が進んだ。

結果、知らぬ間に寝たらしく気がついたら朝になっていた。オイオイ(-_-;)とにかく最高の一夜を過ごしたと言うことです。