飯森&山響 モーツァルトシンフォニーサイクル
   「アマデウスへの旅」 第7年
   交響曲全曲演奏 定期演奏会 Vol.21


 
  
2014.02.15(土) 山形テルサホール
指 揮:飯森範親
ピアノ:仲田みずほ
コンサートミストレス:安紀・ソリエール(客演)
交響曲 第24番 変ロ長調 K.182
ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K.271「ジュノム」
【アンコール】
 シューマン=献呈(リスト編)
------(休憩)-----
交響曲 第22番 ハ長調 K.162
交響曲 第30番 ニ長調 K.202



今年度最後のモーツァルト定期は記録的な大雪で交通網が全て遮断され、首都圏からの観客はもちろんキャンセル、飯森氏のマネージャーでさえ仙台足止めという中で行われた。

庄内は雪などほとんど降って無く新庄でもそこそこ、さすがに尾花沢では結構あって村山に着いたらほとんど降ってない。安心して天童に入ったらなんともまあすんごい降雪だった。道路の除雪も追いつかないようで、山形道も通行止めの表示があり、山形北ICの辺りから渋滞でほとんど進まない。圧雪がゆるんでデコボコの最悪の路面状態で長距離トラックがあちこちで立ち往生して何ともお手上げの状態だった。幸いにもすぐ近くにランプがあったので国道13号に別れを告げ下道に入ったら何とか進んだが、予定から大幅に遅れてテルサへ到着した。

今冬は少雪暖冬と喜んでいたがぬか喜びだったようだ。オリンピックの葛西選手がラージヒルで銀メダルを取ったそうで日本中が沸いている。沙羅ちゃんは4位とメダルに届かず、愛子ちゃんも4位で残念、でも世界でそんな順位に入ることがどんなに大変で素晴らしいことか、選手達にはもっと胸を張って欲しいし皆も大いに賞賛すべきだと思う。

スキーの話ついでに、昔スキーブームの頃(1980年代)斉木隆と言うスキーヤーがいた。現役時代はナショナルチームに所属し世界を転戦し、競技を引退してから基礎スキーの世界に飛び込み大活躍したが、突如引退して消えてしまった。
先日ひょんなことからその後を知る機会を得た。
           ↓
http://www.geocities.jp/ski_factory_info/saiki_takasi_interview.html

彼の滑りに大衝撃を受け、大いに憧れていたスキー大好き青年だった私には、非常に感慨深く長年のモヤモヤが雲散霧消する内容だったが、興味のない人はスルーして下さい。


本題に戻り恒例のプレトークから…
今回の交響曲は1773〜4年に3回目のイタリア旅行から戻って作曲されたそうで、ハイドンの影響を強く受け交響曲が量産された時期のものだそうです。(協奏曲は1777年作)
3曲ともとても明るい曲調で今回もオクタヴィアレコードの社長さんが直々にレコーディングされたそうです。

ピアノコンチェルトの「ジュノム」は「ジュナム」の方が正確な発音だそうで当時としては実に斬新なアレンジだったらしい。
本日のピアニスト仲田さんは、飯森監督がウィーンのムジークフェラインザールでの演奏会当日、楽屋に押しかけ(笑)演奏を試聴してもらい出演が決まったそうです。それには中村紘子氏の強力な推薦があったそうです。

それから本日のゲストコンミスの安紀・ソリエールさんは、フランスの方で長岡京アンサンブルの森悠子先生の姪御さん(お姉さんの娘)だそうです。
ヨーロッパ室内管弦楽団やルツェルン祝祭管弦楽団で活躍されており、先日亡くなったクラウディオ・アバドやニコラウス・アーノンクールなどの高名な指揮者の信頼も厚い実力派だそうです。

音楽監督の仕事にはオケのスキルアップも含まれており、先日のM定期での田尻順氏などの招聘も含めて、新しいエッセンスを送り込む試みがなされているとのことでした。
さてさて本番が始まります。客席はやはり空席が目立ちます。
尚、不勉強に付き本日のプログラムは全て初めて聴く曲ばかり、ぶっつけ本番です(汗)

1曲目の24番は春のように穏やかで聴いているととても気持ちが暖かくなる曲でした。本日の配置も恒例のドイツスタイルで、Fl2、Ob2、Hr2、Fg1に通常の弦配置です。
弦の音がかなり違って聞こえました。コンミスがグイグイ引っ張ります。

2曲目のジュノム、配置は中央にピアノを配置しHr2、Ob2となりました。
仲田さんは現在官費留学でチューリッヒに滞在中で、現地でも山響と似たような環境下で演奏しているようなことを言ってました。モーツァルトへのアプローチも相通じるものがあるようです。
演奏が始まるとすぐにピアノが入ります。今回は久々にバルコニー席をゲットできたので指使いがよく見えます。いやあ素晴らしいですね。

夢心地の演奏から第二楽章は一転してもの悲しげな曲調に変わります。確かにモーツァルトはこの曲を作る際に恋をしていたと思える箇所が随所にあります。音の広がりが尋常でないフレーズが多々ありました。思わず背筋にビビビっと走るものが…
第3楽章は間断なく始まります。軽やかなピアノの旋律が先行しオケが続きます。甘く切ない恋人との会話のような雰囲気です。
この楽章で弦楽器(1stVlnとVcとCb)のピチカートがありますが、当時はそんなアレンジはなかったそうで、モーツァルトが初めてやったもののようです。
いやあ、切れ、感性ともに素晴らしい演奏でした。

盛大な拍手に応えてアンコールを1曲、シューマンの献呈という有名な曲だそうですが初めて聴きました。
ソロは全然違ったイメージのピアノ展開です。音の広がりが素晴らしく優雅に聞こえました。ピアノをここまで自由に操れたら気持ちいいだろうなと思える演奏でした。
大拍手です。

3曲目の22番、編成はHr2、Ob2にFg1、Tp2が加わります。4曲目も同じ配置でこの2曲は第7楽章まである交響曲にしても良いような気もしますが、素人の浅はかで横暴な考えですね(笑)
この日のオケの音はいつもとは明らかに違っていて、それが良いとか悪いとかの話ではなく結論から言えばコンミスの力なのだろうが、素人が聴いての話なので感覚的なものですが弦の音(Vln)がおとなしく感じました。

特に1stVlnの音が特徴的で、通常どこのオケでも1stVlnは華のあるパートでオケの顔でもありグイグイと引っ張るイメージがあったのですが、今回の安紀さんが引っ張る弦は派手さがなく目立たない音ではあるがとても上手く他のパートと調和している印象を持ちました。
高木さんがやっていた頃はそれはそれで素晴らしかったのですが、それとは違った感覚で心地よく音がまとまっている感じなのでした。何なんでしょうかこの心地よい響きは…?

飯森さんも見ていて我が意を得たりと言った感じで気持ちよさそうに振っています。(この日のマエストロは指揮棒を一度も持ちませんでしたが…)
素人が偉そうに書くとひんしゅくを買いそうですが、音の奥行きが異次元のレベルに感じました。今後の可能性を感じる演奏会でした。

最後に4曲目のエンディング、大変面白かったです。

終演後の交流会では来年度(シリーズ最終年)の抱負などを熱く語ってましたが、ここまで7年間やってきて専門家にも評価が高い企画なので「アマデウスへの旅」をこのまま終えるのはもったいない。「アマデウスへの回り道」(笑)なんて企画もあって良いじゃないの? と、冗談めかして言ってましたが…

何やら考えているようですよ音楽監督は…


  
交流会の様子

広告 [PR]  再就職支援 冷え対策 わけあり商品 無料レンタルサーバー