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             酒田希望音楽祭
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【新日本フィルハーモニー交響楽団コンサート】

バッハ作曲 ウェーベルン編 「6声のリチュルカーレ」
ガーシュウィン 「ラプソディー・イン・ブルー」
ラヴェル 「古風なメヌエット」
ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」
【アンコール】
ラヴェル 「ボレロ」 カット版

平成18年10月30日(月)希望ホール
指揮:井上道義
ピアノソロ:松永貴志
コンサートマスター:西江辰郎


酒田希望音楽祭と銘打った新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートも今回で3回目、初回は小澤征爾指揮で、ここ希望ホールのこけら落としコンサート、メインはベートーベンの7番、昨年は音楽監督を務めるクリスティアン・アルミンク指揮でチャイコフスキーの6番「悲愴」であった。
初回はさすがすごい人気で抽選で当たったラッキーな人しか聴くことが出来ず残念な思いをした人も多かったと思う。

去年の公演もとても良かったので今回もとは思っていたのだが、いつもリーズナブルな響ホールに通い慣れた身には痛い出費なのでずっと考えていたのだが、友人に催促されてから重い腰を上げた。発売日からかなり経ってチケットを求めたのだが、結構良い席が空いていて、今回は結構空きがあるのかなと思って会場に入ったら大入り満員にとてもびっくりした。

今回のゲストピアニストはジャズの松永貴志氏、まだ二十歳そこそこなんだが、ジャズの世界では評価も高いらしい。神戸の芦屋生まれと言うことからその経歴がうかがい知れる。
ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」はジャズとのコラボレーションでは定番の名曲、希望ホールでは以前にも山響と小曽根真氏の共演を聞いたことがある。最近テレビの「のだめカンタービレ」のエンディングテーマとしても使われている。

所謂ピアノ協奏曲なのだろうが、今回の演奏はオケの音があまりにも強すぎてピアノがよく聞こえなかった。もっとも私の座った席の特性なのかも知れないが、少し残念だったが、その点を除けば演奏自体はとても良かった。

展覧会の絵は、今年4月に東京のサントリーホールで日フィル、コバケン版を聞いていた。同じ曲でも条件が違うと全然違って聞こえる楽しさも味わえた。やっぱりこの曲はオケも大編成になるので近くで聴くと(一階席中央付近)迫力に圧倒される。生のフルオケのパワーは物心両面で本当に凄いと再認識した。

ご存じのようにオリジナルはピアノ曲なのだが、オーケストラ版はモーリス・ラヴェルの編曲。
ラヴェルという人ははっきり言ってオーケストレーションの天才だと思う。その代表曲がこの曲と「ボレロ」というのは言い過ぎか?
何度聞いても楽器の使い方が本当に上手い。井上氏も、とても楽しんで指揮していたように見えたが、本当のところはわからない。

実はとても辛かったりして・・・

と言うことで盛大なカーテンコールに続いてアンコールは本当にラヴェルの「ボレロ」、それも最初と最後のフレーズだけの超カット版には笑ってしまった。これも愛嬌でしょう。

愛嬌ついでに前述の「のだめカンタービレ」、原作は漫画だそうで私は残念ながら未だ見たことはないが、テレビの方はついつい毎回何となく見てしまう。ちらほらとした風の便りに寄れば、結構クラシックファンには人気があるようで、私のような中年はともかく、もっと上の世代にも受け入れられているようだ。
どこぞの大学の先生もファンの一人だそうで、コミックも全部揃え山旅にも必携だそうである。
暫くベートーベンの7番が耳の奥でリフレインしそうな気がする。

クラシックが癖になる秋の夜長である。