【GAIA CUATRO Japan Tour 2006)】

平成18年9月8日(金)響ホール
金子飛鳥(vln)
ヤヒロトモヒロ(per)
ヘラルド・ディ・ヒウスト(p)
カルロス・エルテーロ・ブスキーニ(b)



今回は響ホールの小ホールでのジャズコンサートである。
小ホールは円形のガラス張りのホールで以前、庄内国際ギターフェスティバルで、世界中からやって来たクラシックギターの名手達も演奏した素晴らしい音響のホールである。

ガイア・クアトロは日本とアルゼンチンの混成バンドで普段はそれぞれ海外等で活躍しているようだが、一年に一度日本ツアーを最近行っているようだ。正直初めて聞いたバンドであるが、衝撃は大きかった。

CDも日本では2枚ほどリリースされているようだが、小さなレーベルのものでありその制作費を稼ぐ(笑)為のツアーでもあるようだ。
ジャズとはいいながらも、ジャズと言う概念の範疇を完全に越えたバンドである。聞いていてアレっと思う場面も何度かあったが、そんなことを考える事自体アホらしくなるほどノリノリで最高のバンドである。
庄内では二回目の公演と言うことだったが(以前は何とか言う音楽祭に招待されて来たらしい)知らなかったことが残念だ。

演奏中何と言っても目立つのは中央で身を躍らせてヴァイオリンを奏でる金子飛鳥、弓の糸を何本も切っての熱演である。日本的なものはもちろんだが、何というか無国籍的な素晴らしい感性を持っていると思う。

楽器は何でもそうだが、最終的には演奏者の感性が聴く人に合うか合わないかの問題で、特にジャズなどのフリーな音楽は最初の一曲で案外わかるものである。
そう言う意味ではパーカッションのヤヒロトモヒロも面白い。プロフィールにもあったが少年時代の10年間をカナリア諸島で過ごし、そこでパーカッションを始めたと言う事だが、非常に面白い演奏だった。

このバンドの音楽面でのリーダーは、ピアノのヘラルド・ディ・ヒウストとのヤヒロさんの説明であったが、普段はパリで活動しており、指揮者もこなすという多才ぶりでピアノのタッチが素晴らしいものであった。
ベースのカルロス・エルテーロ・ブスキーニは普段はイタリアで活躍しているとのこと、常にニコニコして一番奥で演奏する姿は皆の信頼を集めていることを如実に現していた。

無国籍バンドのサウンドは殆どがオリジナルで、初めて聴く曲でも自然と体がリズムに合わせて揺れるノリの良さ。
このバンド日本じゃどうか知らないが、多分外国で先に売れると思うよ。これからも毎年日本でツアーをやるみたいだし、機会があれば是非みて聞いて欲しいと思う。
日本も広いけど、世界はもっともっと広いと改めて思わせてくれたコンサートでした。