『鳥の声コンサート』
                  響おしゃべりクラシックvol.3

恋のうぐいす(クープラン)
パンの笛(ムーケ)
「動物の謝肉祭」より 白鳥 (サン=サーンス)
黒つぐみ(メシアン)
演奏会用ソナタ(ダマーズ)
フルート三重奏曲 ト短調(ウェーバー)
(アンコール)
ロンドンデリーの歌(スコットランド民謡)
2006.05.17 響ホールにて
佐久間由美子(fl)
藤森亮一(vc)
長尾洋史(p)
青島広志(ナビゲーター)


相性というものは大事なんだと思うコンサートでした。
相性の悪いお得意様への電話を明日に回し会場へと急いだ。折角の楽しみにしていたコンサート、気分の悪い相手と話したくなかったからだ。それはさておき、響きホールでのこの企画は今回で三回目、ピアノデュオ、ヴァイオリンのデュオ、今回のピアノ、フルート、チェロの三重奏、前回からナビゲーターにテレビでもおなじみの青島広志氏を迎え、楽しいトークもあり、お子様でも十分楽しめる企画であった。

フルートの妖精?と言われる佐久間由美子さんは、15年前と変わらぬ美しさと褒め殺し?されたからか、素晴らしく伸びやかな演奏で笑顔の素敵な人であった。
指揮者のいない小編成のコンサートでは、あうんの呼吸が非常に重要で、いくら高名な演奏家でも合わない人はどうしようもなく疲れるらしい。
ピアノの長尾さんと佐久間さんは、今回で4回目の共演と言うことだったが、そう言う意味でお互い非常に楽だというお話であった。共におフランス帰りとのこともあってか相性が良いのだろう。

もう一つの楽しみはチェロの藤森さんのソロが聴けること。言わずと知れた天下のN響の首席奏者である。ホールに響く心地良い音色にうっとりと聴き入ってしまった。藤森さんは三歳からピアノを強制的に習わされ、音楽が大嫌いになってしまい、あるきっかけでチェロに転向したそうだ。
大編成のオーケストラと違い、ソロで聴くチェロの音色は非常に優しい響きに溢れ、何とも穏やかな心持ちになれる。個人の嗜好にもよるのだろうが、私はヴァイオリンより、ソロはチェロの方が好きだ。時にズンと響く低音のボウイングがたまらない。

皆さん、あまりにいっぱいお話をされたので詳細は失念してしまったが、木管楽器の一つでもあるフルートは、3オクターブの音域を基本にあらゆる曲が作曲されているそうだが、少しお金を掛けると下方1.5度(ド、シ、ラ#←位まで)までの音は出るそうだが、高音は2度(ド、レ、ミ←)の音を出すのは非常に難しく、練習でたまには出ても、コンスタントに出すには相当の技量が必要らしい。

先日、某フルーティストが駅のコインロッカーに忘れ物して話題になっていたが、佐久間さんが今使っているフルートは18k製とのことである。ちなみに値段は教えてもらえなかったが、国産の最高級品イコール国産の最高級車ぐらいとのこと。
以前このホールで聴いた某演奏家の音と比しても、深みと言うか、厚みのある音に聞こえたのは、黄金色に惑わされたからか・・・