【中登隊、長き沈黙を経て…2014忘年会 in sakata】

今年もあと少し、山には全くと言って良いほど行けない年であった。これは大いに反省せねばならぬ事であるが、最近はある意味外界と隔絶した仙人のような生活を送っているためか、お山の情報もトンと入らない。そんな中、HPの見直しを行っていたのだが、このページをどうしたものかと考えていた。

栄光の中登隊の結成が2004年の9月、秋田の虎毛山へ3人で登ったのが始まりである。あれから早10年、いろんな山に登ってきたが隊員達はその後には離合集散し(笑)現在は休止状態となっている。
隊の規則に「2人以上の山行は中登隊の山行とする」なる文面があるが、良く考えてみると私を除いた隊員達は活発に山行しているのかも知れない。私だけが山に行けてないのかも知れない。所謂、仲間外れ…(笑)
ふとそんな不吉な思いが過ぎる。

でもそれはきっと杞憂であろう。そんな心根の隊員は絶対にいないと信じている。理由は簡単、ワタシが山に行かないだけ… 山に行かない人間なんて誰も誘わないのは自明のことである。などと自虐的な事をぼんやり考えていると携帯の着信音で我に返った。
なんだこんな時間に、と思いメールを開くと「突然ですが22日か23日に酒田に行こうと思います。」A.TOM隊長より

だってさ(笑)


年に一回くらいは近況を電話で話す機会がある隊員もいる。隊長とも先日少し電話で話していたので大まかの近況は存じ上げていたのだが、顔を合わせて話すのは考えてみたら2012年の4月以来か? 文面から察するにどこかの山に登るつもりでもないし、でも突然酒田に来るなんて言うからには、きっと何か魂胆があるに違いなく、午前10時11分29秒着信のメールなんてきっと仕事場からだろうし、そう言えば前に突然職場の部下が数十人増えたなどとくどいてたし、あの人の性格からして仕事中に突然キレて(笑)上司と大げんかしたなんて大ありかも…
などという勝手な妄想に浸ること数時間、(オラが相当偏屈な性格であることが分かると思います(汗)) まあ、直接電話して聞いてみるのが一番良いと言う至極まっとうな結論に達し、その夜遅くに電話したのである。

お互いいろんなしがらみで山に行けてないのは共通の悩み、その辺を酒でも酌み交わして嘆き合おうと言うことで話がまとまり、11/22の夕方にとりあえず我が家に来るとのことである。
何でも一応三連休ではあるが、当日の午前中は仕事に出なければならないので夕方遅くなるとのこと、ああ、サラリーマンの何と辛い事よ… 休日なんてあって無いようなもの、こんなにあくせく働いて一体何が残るんだろうね(汗)誰かさんの言う三本の矢効果はどうなっているんだ(怒)などと毒づいても始まらないので、おとなしく家で待っていたのである。

話は変わるが隊長は晴男の異名を持つ方でもある。この日の天気は日中は晴れで夜にかけて下り坂、雨になるであろうとのこと。ああ、隊長の神通力も落ちたなと思っていた。と言うのも、中登隊の記録を読み返してみたら、たいそう凄い力だったんだなと改めて思い至ったのである。しかしそれも山にしょっちゅう通っているから神様がくれたものであって、今の現状では致し方なく、相応に落ちてもしょうがないと思う。
そんなこともあって常に前向きに進んでいくことの重要性について深く考えていたのだ。そうだよな、後を振り向いてばかりじゃ全然前に進めない。「夢は見るものじゃなく、かなえるもの」うんうん、その通りなのだと深く黙考していると携帯が突然鳴った。

何処が家かわからないと言うので表に出て隊長の愛車siomi号を誘導する。多くの思い出が残るこの名車も今回が最後のドライブとのこと。 なに〜〜?
挨拶もそこそこに家に上がってもらい急いでテレビのチャンネルを合わせる。某局の「絶景百名山」で朝日連峰を特集するのだった。 家族全員で鑑賞する。

今回のロケは龍門小屋の管理人であるE藤さんがメイン、N山岳会のメンバーがサポート隊で同行するもの(皆さんお元気そうでなにより)行程はバカ平から入り天狗、狐穴、龍門小屋に宿泊し、大朝日岳を経て古寺へ下山、途中停滞を含め4泊5日というとても長大なものであった。

連峰はロケ時には紅葉の盛期とも重なり見事に色づいており、テレビで見ても山の中にいるような気分にさせていただく素晴らしい内容のものであった。隊長はN山岳会のメンバーでもあるので様々な解説をしていただき、大爆笑もありの充実した一時間だった。
う〜む、やっぱり山に行かないとオラはまともな精神状態にならないのだ…
その後近所にある寿司屋まで傘を持って移動し、ひっそりとしたちょっと早い忘年会となった。

久しぶりの宴に乾杯し近況を語り合う。朝日にはこの年には一回しか行けなかったのは二人とも同じ、しかし隊長はI藤隊員と夏休みに南アルプスへ、何でも最近は遠くの山へ行く機会が多いらしい。先日も奥様と二人で房総の名山を縦走したらしい。I藤隊員とは同じ町内に住む身、去年も北アルプスへ行った話は聞いていた。単身赴任中のhigurashi隊員は最近関東近郊の山にはまっているようだし、名誉顧問のS藤さんは鳥海に今シーズン30回近く登っている。

ああそうなんだ、みんなちゃんと山に行っているじゃないですか。

メンバーそれぞれ住んでいるところはバラバラ、このご時世一緒に行動するのは難しいのは当たり前、何かきっかけがなければ集合するのはもっと難しい話だ。何とかしなければねぇ…
そんな昔話を含めた楽しい宴は、時間が過ぎるのもあっという間だ。

突然隊長が、そう言えばと…
午後九時から国営放送で百名山一筆書きの最終回が放送されるのだと騒ぎ始めた。
やれやれ、テレビっ子だなぁ〜
その後急いで自宅に徒歩で傘をささずに舞い戻る。もちろん放送が始まった途端、外は土砂降りとなる。
う〜む、神通力は未だ健在なのだった。

またもや家族全員茶の間でテレビ鑑賞、この番組オラも少しだけ見たことはあったが、隊長は毎回見ていたそうで実に詳しく解説してくれた。もちろん地酒をいっぱい飲みながらなので弁舌も滑らかで絶好調の名調子が続く。東北を過ぎ北海道に渡り、もうすぐ利尻へと言うところで、突然地震警報のテロップと警戒音が響いた。暫くして部屋の照明の紐が揺れたので、皆で「おお」と叫んだ。すぐにテレビは中断し地震速報へ…

北信越東部地震に見舞われた方々にはお見舞い申し上げます。死者が出なかったのが不幸中の幸いかと存じます。白馬や小谷は若い時分に何度も訪れた場所なので…

とんでもないオチの付いた忘年会ではあったが、久々に隊長と話せて楽しい時間を共有でき感謝致します。これに懲りずにまた遊びに来て下さい。
ええ、もちろん他の隊員の方々も歓迎しますですよ。でも基本は山の上で楽しく呑みたいですね。
と言うことで来年こそは
山に行くぞ〜!!


近いうちに、きっとまたみんなで呑みませう




以東小屋



寒江山



摩耶山



岩手山