【中登隊 2008忘年登山&納会】 その2


大高森山頂から望む松島湾

【日 程】2008年12月21日(日)
【山 域】宮城県
【山 名】大高森(105m)
【天 候】晴れ
【メンバ】2人
【コース】不明
(概 略)


駐車場(10:00)---(10:09)大高森---(10:30)駐車場


隊長の愛犬の鳴き声で目覚めるも…(冷汗)
冷たい水で顔を洗うと少しだけ意識が戻ってきた。
美味しい朝食をいただきながら昨夜の様子を必死に思い起こすが、なぜか偏頭痛が…
愛妻家のhigurashi隊員が、そそくさ帰るのを見送る(73…
I藤隊員は日曜もお仕事、結局隊長と二人で忘年登山二日目は大高森を目指した。

大高森は日本三景の一つである松島にそびえる秀峰である。
が、標高105mとカモシカのような足が自慢の中登隊には役不足の感もある。が、その山頂からの展望はとても見事で素晴らしい。(山頂には三角点もある)
山を始める前の隊長は海を楽しむ人種だったらしく、この辺りの地形には精通している。

駐車場から歩き出し急登に息を切らす。
う〜む、なるほど、山は実際に登ってみなければ本当の良さなんてわからないものだ。
視界も良く、昨日登った泉ヶ岳や、その奥の船形山もはっきり確認できる。仙台観音の白い御姿に心が安らぐ。

改めて考えてみると松島を訪れたのは何年振りだろう。小学6年の修学旅行で来た時のおぼろげな記憶を必死で掘り起こすが断片的だ。
穏やかな海面に船の白い軌跡が映え見事な景観である。



下山後は隊長に石巻周辺の観光案内をしていただいた。
まずは隊長お勧めの秘密の絶景スポットへ向かう。観光とは言ってもそこは中登隊、、結構の距離を歩くのだ。道なき道をひたすら歩くこと暫し、藪の中から突然現れた絶景には完全に腰が抜けた


  
道無き道を進むと、絶景が待っていた…

筆者は極度の高所恐怖症であり、先端恐怖症をも併せ持つ病人である。そんな病人には、ちと不釣り合いな場所ではあるが、せっかく来たからにはと絶景ポイントに向かうが、すぐにへたり込みガクガクと震え出す始末…
こ、これは逃げるが勝ちである。とっとと退散し二度と近寄らないことにする。

方や隊長も怖いもの見たさもあってか、どうしても先端に行きたいらしく何度も挑戦するが、敢えなく敗退を繰り返す。今度M沢君あたりをだまくらかして連れてきて、固定ロープを張ってもらおうよなどと勝手なことを言い出す始末であった。
しかし私のような者には、隊長の案内がなければ決して訪れることの出来なかった場所であることは間違いなく、貴重な体験をさせていただいた。感謝である。
車に戻ると、お昼はとうに過ぎており、お互い空腹を訴える。



ブルーインパルスで有名な松島基地を横目で見ながら石巻へ入り適当な店に入る。
肉鍋と鴨鍋定食をぺろりと平らげすぐに月ノ浦へ向かう。
ここは仙台藩主伊達正宗公の命を受け海を渡った支倉常長と、復元された帆船「サンファンバウティスタ」が係留されたミュージアムである。



帆船「サンファンバウティスタ」

ジモティーの隊長も中に入ったことがないそうなので躊躇なく入ってみる。
帆船模型が展示してあるスペースでは二人で目を輝かす。
中年はこういう緻密な模型に強い憧れを持つのである。
オラにも絶対作れるとその時は強く思うのだが、残念ながら97.23%の確率で挫折するのが定番である。



こういうのに中年は弱いのだf(^^;)

当時の船旅を体感できる施設で、二日酔いの中年は当然船酔いに苦しみ、生あくびを繰り返す。その後サンファン号に乗船し帆船の内部を見学、まるで修学旅行で訪れた小学生みたいだが、小学6年当時にバス酔いに苦しんだ記憶が蘇ってきた。
酒や船の酔いにはからきし弱い筆者だが、船の中を見るのは大好きなのだ。
正宗公存命の時代(400年前)に、このような巨大船を造る技術がこの地にあったことに正直驚く。

船内では案内係の女の子に、展示されていた大砲に火薬を詰めて撃たせてくれと懇願し困らせた。
その後デッキでメインマストを見上げて、どうやって登るのか真剣に議論し、セイルドリルの解説コーナーで、こんな所に登れる度胸があれば、E藤さんといい勝負が出来るよなどと…
出来もしないことを熱く語り合う中年二人組であった。

今を遡ることおよそ400年前に、支倉常長と宣教師ソテロが、共に太平洋と大西洋を渡り渡欧した奇蹟とも言える史実には、人の縁の不可思議と重さを改めて考えさせられる。
7年にも渡った命懸けの航海を共にした果てにマニラで別れた二人が、その後再会する事はなかったようだが、鎖国やキリシタン弾圧の最中に、二人の命の灯火が潰えた地が日本であったことには、人間の業の深さを思い知る。
(常長は帰国後その業績は歴史の闇に封印されて病没、ソテロは鎖国令の日本に密航した後に捕らえられ、火あぶりの刑に処せられる)

我ら中登隊の出会いも不思議なもの、今も昔も人の出会いは必然であり偶然である。
誰と誰がどのような赤い糸で結ばれているのかは知る由もないが、男と女ばかりではなく、人と人の繋がりは何某かの物語を生む。その偶然の産物とも思える繋がりは、人生の喜怒哀楽を内包する。
良くも悪くも人間は、決して一人では生きていけないものなのだ。

ふと気付けば時計は3時を過ぎている。この後日本海まで日本列島を横断しなければいけない現実に驚愕し汗が流れた(笑)
久々に心の底からリラックスし癒された二日間でありました。
同行いただいたA.TOM隊長や隊員の皆様、お世話になりました。そして龍門小屋と同等の管理費(笑)で、お世話いただいた隊長のご家族の皆様にも感謝申し上げます。
ありがとうございました。