【のたらくたらと天狗小屋へ】


見事なサラサドウタン

【日 程】2008年6月28〜29日(土日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】天狗角力取山(1376m)
【天 候】晴れのち雨
【メンバ】単独
【コース】バカ平から天狗小屋往復
(概 略)


6/28バカ平(8:47)---(10:07)焼峰分岐---(12:20)粟畑---(12:47)天狗小屋
6/29天狗小屋(11:15)---(14:30)バカ平


週末の予報は雨、こんな日は近場でゆっくり羽を伸ばそうと、自宅で朝食を食べてからゆっくり出発、いつもの道を途中から右折し見上げるとガスで障子ヶ岳は見えない。モチベーションが一気に音を立てて崩れ、天狗小屋に直行することにした。

駐車場には結構の車、空梅雨のため下界は暑いので短パンで出発する。
まだ登りが楽なうちは仕事のことが頭に浮かぶも、いかんいかんと必死に消しゴムで消す。
まだまだ修行が足りんなぁ〜

突然オオスズメバチが巨大な羽音を轟かせ目の前に現れる。ホバリングして「はよ帰れ」と威嚇するので、ヒッと36pくらい飛び退く。
「お見逃しくださいお代官様と」必死になってお願いしたら何処かに飛んでいった。
ふうぅ〜・・・


   
障子ヶ岳   と   天狗小屋方面


焼峰分岐まで汗でぐっしょり、少し下った水場で小休止し冷たい流れで顔を洗うと少し落ち着いた。風もなくとても穏やかな山には小鳥のさえずりが良く似合う。近くの梢ではウグイスが鳴いている。
いつも思うのだがどうしてウグイスは「ホー・ホケキョ」なのだろうか。誰か意地の悪い人でも無理矢理教えたのだろうか?

ケキョケキョケキョ・・・と鳴くのは素直に納得できるが、冒頭のホ〜〜が、どうしてホケキョと変化するんだろう。ほ行三段活用な訳ないし、何か深い事情でもあったのだろうか・・・
もっとも、「ホ〜〜、ホ〜〜、ホ〜〜」としか鳴かないと、何だかどっかの変なおっさんの断末魔のようで気味が悪い。

等と具にもつかぬ事を考えながら、「のたらくたら」と歩いていたら目の前に天狗小屋の管理人であるY田さんがいた。一年振りぐらいだろうか挨拶してその後ゆっくり二人で登る。雨量ロボットの辺ではヒメサユリと障子ヶ岳のコラボがかっこいい。


   
粟畑からの障子ヶ岳   と   どっしりとした以東岳


サラサドウタンやウラジロヨウラクも見事だ。日帰りの周回組と結構ご対面、
せっかくの朝日での山遊び、泊まらない手は無いんじゃないのと喉元まで出るがぐっと飲み込む。

水場の流れは手を入れているのが辛いほどの冷たさ、早速持参の朝日ビールを急速冷凍、荷も解かぬうちに「ぐひぐひぐひ」と飲み干す快感・・・
カ〜〜〜!! これだから山は止められない。
管理人室前の神棚に持参の御神酒をお供えし柏手を打つ。岩手からと言う単独行者がごろりと昼寝をしている側でそそくさと準備をして早速御神酒をいただく。

途中でパスした山形からのご一行様がじきに到着し二階で宴会が始まる。
この人達は毎年今の時期にこの小屋で天ぷらパーティーをするのが恒例だそうで、今の小屋が出来るかなり前からやっているらしい。



この写真撮影後に記憶が完璧に飛んだぁ〜


一斗缶を半分にした巨大な自作天ぷら鍋を何年もデポしていておりY田さんとも旧知の様子。宴の真っ最中に階下の人達にもお呼びが掛かりご相伴に預かる。

御神酒を呑まれた天狗様の祟りか、この後の記憶は完全にない。


   
さすがのヒメサユリ様


翌朝物音に目覚めるも、とても起き上がれる状態ではなく、二度寝・・・
再度目覚めると早い人達は出発していた。
やれやれ・・・

この朝は高曇りでいつ雨粒が落ちてきても不思議ではない空模様、障子周回の登山客は急いで出発していく。一組だけ狐を目指すという方もいた。まあどっちにしても雨は確実に落ちてくるだろうと覚悟を決め、管理人室前でY田さんとおしゃべりをしながらまったりする。

無線から寒江山付近のウスユキソウの様子が聞こえてくる。今が最高の時期なのだろう。山岳会の公募登山隊が龍門泊まりで入っているらしい。
朝の内は粟畑も綺麗に見えていたが、だんだん白いものに覆われ視界はない。ゆっくりと山の時間が流れていく。



これはナナカマドの花


静寂と山の持つ途方もなく大きな包容力に包まれて心が軽くなる。来るたびに毎度天気が良いわけもなく、雨が下界とのカーテンになったかのようでこれもまた良し。
あっという間に至福の時は過ぎ去り、いつもの名残惜しい時が迫り来る。
お世話になった小屋の掃除を少しだけ手伝い「のたらくたら」と天狗様に見送られ小屋を後にした。

さあ、稼ぎにちょっと降りるか・・・