【カレー三昧と宮様コース】
                            (山スキー)



滝の小屋から雪煙舞う外輪

【日 程】2008年3月9日(日)
【山 域】鳥海山(湯の台口)
【山 名】宮様コース(1287m)
【天 候】曇のち晴れ
【メンバ】単独
【コース】車道終点 → 宮様コース滝の小屋まで → 車道終点
(概 略)


車止め(7:55)---(9:15)山雪荘側---(10:56)滝の小屋(11:35)---(13:20)車止め


仕事中にネットでweathernewsをよく見る。と言っても別にサボっているわけではない。あくまでも業務でである。
それが土曜日となると結構の頻度となる。ちなみに今の土曜日は休日出勤であった(泣)

モニターには最近見たこともないような天晴れマークが並んでいる。
ここまで誘われたら男だったら行くしかない・・・。(←なんのこっちゃ)
それからの仕事の効率は明らかに違った。下手すると休日出勤×2となりそうな雰囲気だったのだが、涙ぐましい努力があった事を知る者は筆者以外いない。

翌朝、ネボスケにしては普段より明らかな早起きをして出発、なれど空は曇っており山の姿も見えない。さてさて、これは明らかに予報と違う。それでも登っているうちにきっと回復するだろうと信じ、「にぎり」のようなコテージに見送られ登り始める。周りには誰もいないが雪兎が一羽、私の姿に驚いたのか急斜面を一気に駆け上がって行った。
車道に合流すると複数のトレースが現れる。



「にぎり」???


暫く登ったら単独の先行者が見えた。じきに追いつき挨拶したら、お先にどうぞとのこと、トレースの御礼を申し上げ先行する。前日に付いたと思われるトレースを辿ると山雪荘に向かっている。小屋の見えるところまで来たら二人で屋根の雪下ろしに精を出されていた。そこから左に折れ一人寡黙にラッセルし尾根に向かう。斜面は結構もぐり深いぞぉ・・・。



たっぷりの雪に覆われた宮様コース


雪は最近の気温の上昇からかかなり重たい。少しばかりの急坂を登り切ると息が切れたが、今日の宮様コースはノントレースだ。重い雪はくるぶし上まで沈み、一人だとだんだんラッセルに飽きてくる。上部はモナカ雪で下りがたいへんそうだ。
と、この頃からあたりの視界が無くなり、真っ白なガスに覆われ風も強くなる。耳が冷たく、たまらずフードを被り滝の小屋を目指すも視界はない。山勘でテキトーに向かったら、ガスの中からもっそりと小屋が現れた。



ガスの中の滝の小屋


入口は吹き溜まりで埋まっており、手で掘り出すも凍りついているのか軟弱者の非力ではピクリともしない。試しに小屋をグルッと回りあちこちの窓を見てみたが、全てロックされていた。ピッケルでもあれば何とかなったのだろうが、諦めて風の当たらぬ場所を見つけて昼食休憩とする。
この日のメニューは、カレーパンカレーヌードルのカレーづくし(なんでこうなるのか?)時折無性にカレーが恋しくなる時があるのだ。

ふと何かの気配を感じてお山をふり返る。(風が強く下界を向いて食事のため)
さっきまで厚い雲に隠れていた外輪が青空をバックに姿を現していた。(表題の写真)
上空の風は相当に強いようで雪煙が高く舞い上がって見えた。が、すぐ雲に隠れる。冷たい風とホワイトアウト、私はカレー食いに専念する。
それでも未練がましく時々ふり返るが、お山は良い顔を見せてくれなかった。

じっとしてると寒くてたまらないので食後すぐに準備をして少し下ると、あれっ、人が来た。よく見るとさっき道を譲って貰った単独行者だった。一旦止まって、寒くてたまらないので下りますと言ったら、私も小屋まで行って下りますとのこと、予報が完全に外れましたねとお互い声にならない会話をし、お気を付けてと別れた。

肝心の滑りは上部のモナカ雪で大苦闘、下部の腐れ雪で曲がらない、滑らない、重い雪に足を取られ頭からの大転倒・・・(汗)
山スキーヤーは、すべての雪質に対応できる技術を身につけなければならない。と言うがオラには絶対無理だ。でもヘボはヘボなりに「かんばらまって」雪と戯れるのが楽しい。
下ってみると途中から天候は回復し、山頂方面がクリアだ。予報が半日ずれた感じ・・・



光輝く上ノ台コースのスカイライン


途中で「オオ〜イ」とどこかで聴いたような声がした。んん?、オレンジ色のアウターが手を振ってる・・・。
いやいや、M浦さんでした(大汗)
寝坊して遅くなり、駐めてあった車を見て先行しているのがわかったので、カンジキを履いて私のトレースを追ってきたという。天気の割に人が入ってないねとは共通の感想、暫く賑やかな立ち話に花が咲く。

この頃になると完全に天気は回復し、青空に純白の山肌が映えとても美しい。二人して何で降りるときになってこうなるのか?としきりに嘆きあうが、後の祭りとはこの事也・・・。

M浦さんは鳥海山荘の温泉でゆっくりして帰るという。私には水汲みの業務命令があったので次回はイナグラで(笑)とお別れした。
三ノ俣に回ると青空に雄大な姿をくっきり現した鳥海にまた圧倒された。見る角度を変えるとこの山は実にいろんな姿を楽しませてくれる。

帰路道すがらの温泉へ寄り道し、夕刻帰宅する。
なんとまあ驚いたことに台所から美味そうなカレーの香りがするではないか・・・


やれやれ