【ネボスケの宮様コース偵察 VOL-2】
                                      (山スキー)


コース途中から

【日 程】2008年2月3日(日)
【山 域】鳥海山(湯の台口)
【山 名】宮様コース(1287m)
【天 候】曇
【メンバ】単独
【コース】車道終点 → 宮様コース滝の小屋まで → 車道終点
(概 略)


車止め(9:35)---(11:00)宮様コース入口---(12:28)滝の小屋(13:00)---(13:55)車止め


ふと目が覚めて時計をのぞく、「ガ〜〜ン」8時を過ぎている。
急いでカーテンを開け、お山を眺めたら曇ってはいるものの山頂までクリアに見えた。こうしては居られない。そそくさと準備をして車に飛び乗る。いつものコンビニで食料調達し、三ノ俣コースを双眼鏡で覗いた。前日登った岳友から藪がひどいとの情報があったのだが、ここまでひどいとは・・・
忠告に従い根性無しの私は湯の台を目指す。

ふと何か忘れたような気が・・・
「ガ〜〜ン」なんと言うことか、あわてて飛び出たのでアウターを忘れた事に気付いた。車を急停車し後のあたりをゴソゴソと捜すと予備の合羽が出てきた。
よし、何とかなるだろうと再度出発する。

車止めには一台もない、狐につままれたような気分だ。かなり遅い出発だが、偵察と割り切り歩き出す。
この前来たときよりも雪は増えたが、まだまだだ少ない。途中暑くて一枚上着を脱いだ以外は休まずに車道に出る。ここでも何とノントレースだ。夢でも見ている気持ちもあってか、普段やらないような大ショートカットを繰り返したら大汗をかいた。やっぱり歳なんだから無理はしない方が良いと一人ごちる。
でも暫く登ったら前日のものと思われるトレースが半分消えかかって現れた。

暫くありがたく辿ったら宮様コースに向かっている。ヨシヨシとほくそ笑みながらトレース泥棒に徹していたら、何と第1斜面の手前で車道に向かって行くではないか。

そんなぁ・・・(泣)

気を取り直してここから一人ラッセルする。でも前回よりは雪が締まっており、それほど苦労もなく第2斜面までクリアーし第3斜面に向かうと、アララまたトレースが現れた。でも第3斜面の上は、昨夜風が吹いたのか見事に消えてまっさらだ。
上を仰ぎ見ると黒い点がポツポツと・・・ 
ひ、ヒトかなぁ?

暫く見ていたが動かなかったので樹林帯に突入する。ここのブナ林は鳥海でも好きな場所、もっとも私のような軟弱者は冬しか来れないのだが・・・
森林限界まで上がると誰のトレースもない真っ新な雪面に心が躍る。自然に目尻が下がりニヤニヤしながら歩く。他人が見たらすごく変なオジサンだろう。


   
宮様第3斜面と本峰   と   何故か蒼く染まった庄内平野


上部はウインドクラストして雪が硬く締まっており、いつもはクトーがあればと思うのだが、この日はシールで何の問題もなかった。すぐに滝の小屋が前方に現れた。
よく見ると、いつもは雪で埋もれている背後の白糸の滝あたりの谷筋が、ぽっかり開いている。
上部も明らかに雪が少なくブッシュがはっきり見える。下界では暫く山の様子が見えなかったのだが、里には結構の積雪があるから、山もそこそこあるかと思いきや全然ない。少雪だった去年の2月より少ない気がした。


   
明らかに雪不足   と   滝の小屋と背後の窪地


小屋の中に入り引き戸を開けたらテントが二張デンと鎮座していた。その中の一つに見覚えのある文字が見えた。おおお、おそらくあの冬山の神様達がまた今年も来てるなと瞬時に悟った。
昼食のカップ麺を食べながら、暫く上を仰ぎ見ながら待っていたのだが、一向に下りてくる気配はない。ふと振り返ると単独の男性が目の前に居てびっくりする。

鶴岡からと言う彼はおにぎりを頬張り、これから河原宿を目指すという。軟弱者の私はもう既に、温泉にゆったりと浸かっているイメージが出来上がっていた。
じゃあねと挨拶し後は滑り降りるだけ、上部のパウダーは軽くて気持ちがいい。ツリーランも快適だ。途中3人とスライド、皆単独行、地元の人達のようで東京弁は通じなかった。久し振りの休日好天で、居ても立ってもいられなくて、三々五々集まってきたのだろう。


   
小屋内のテント   と   良い感じの滑り


下りてから、こんな日はもうちょっと頑張って上を目指しても良かったかなと、少しだけ後悔したが、風呂上がりの冷たいBeerの誘惑に勝てなかったのが、軟弱ネボスケの本音である。

宮様コースは十分な積雪でスキーも申し分なく楽しめた。
偵察は今回で終わり、

本番はいつになるやら・・・