【2008始動、 怠け者のつぶやき】
                               (山スキー)


雪のオブジェ
誰かさんはマシュマロに見えるらしい

【日 程】2008年1月14日(月)
【山 域】鳥海山(湯の台口)
【山 名】宮様コース途中迄(950m)
【天 候】時々雪
【メンバ】単独
【コース】車道終点 → 宮様コース途中950m地点 → 車道終点
(概 略)


車道終点(10:05)---(12:00)宮様コース入口---(12:41)第2斜面上付近(13:05)---(14:00)車道終点


ああ、思い起こせば去年の11/25から山を歩いてないんだ。
結局、時間を作れなかった自分が全て悪い。こんなに長く山遊びを休んだら体と脳味噌がストライキを起こした。故に山にはとんと足も気持ちも向かなかったのが本当のところ。

正月休み明けの三連休初日は休日出勤、二日目は稲倉で一日中鼠と格闘、キャツラの強かさは見習う価値がある。そして三日目の朝に二匹仕留めたのに気をよくし、イソイソと準備して山に向かった。ちょうど寒波が来ていて時間は遅くなったがパウダーだ。
と言うことは、ラッセルが・・・

いつもの駐車場までは道が除雪されておらず、鳥海山荘から歩き出す。誰もいない雪に埋もれかけた家族旅行村を横目に、膝下ラッセルがじわじわと効いてくる。
鳳来山の真横、真っ白な雪壁に赤茶色の赤滝の源頭がポツンと見えた。鳥海信仰華やかりし頃、ここはご神体だったそうな。そう言えば湯殿山のご神体もこんな色だったような。


   
小雪舞う鳳来山        と   赤滝源頭(見えるかな?)


時折雪が舞うものの天気は概ね良い。車道に出てからはショートカットを繰り返し、急登するもすぐに息が上がる。
やれやれ、思いっきり中年のへっぽこおじんになってしまった。
途中三人パーティーとスライド、前夜は山雪荘泊まりとのこと、ラッセルに飽きたところでちょうど良い。有難くトレースを使わせていただく。

宮様コースの入口で少し考える。温暖化の影響かやっぱり雪が少なく藪がうるさそうだ。しかし、人生死ぬまで修行(ウソです)と偵察がてら向かってみる。滝の小屋までは初めから諦め、見上げるも上は真っ白な雲に固く閉ざされ全然見えない。
それにしても鳥海ってこんなに高かったっけ。

深いところは膝上ラッセル、心臓が口から飛び出してきそうだ。
第一斜面をなんとか登り終え、第二斜面に向かうも急斜面の深雪、更に難儀する。
ジグを切るにも突き出たお腹が邪魔でキックターンが困難、頭頂部から吹き出た汗が帽子の周りで凍りついて、氷のねじり鉢巻き状態ではもう完全に中年エレジーだ。息継ぎのため時々止まる度に、哀れな自分の姿を上空から眺め一人苦笑する。

アホなおじんだよなぁ〜 カァ〜

それでも何とか登り詰め、なだらかになった藪コースを暫く進むと腰掛けにちょうど良く歪曲したブナを発見、雪を踏み固めザックを下ろしたらもう先に進む気力が完全に失せた。第二斜面と第三斜面の中間あたりか?
テルモスからカップ麺に湯を注ぎ定番の昼食大休止、誰もいない雪山の雰囲気を久々に堪能・・・
いいなあ、雪山は。

間違っても雪洞掘って泊まろうかなんて考えちゃいけませんよ、くれぐれもと、何処かから誰かの声が聞こえたような気がした。


   
フカフカの新雪   と   宮様コースの藪

完全自己陶酔状態の妄想からはたと気付きあたりを見回す。さっきまで青空も見えてたのだが、完全に鉛色の雲に覆われていた。すぐに冷たい風に乗った雪が横殴りに舞い降りて来た。シールを外すため手袋を外すと指がかじかむ、さあ下るか。
でも、この深雪ではそう簡単には行かないんだよなあ・・・

降り積もる雪で消えかけたトレースを黙々と下る。傾斜の緩んだ場所では、推進力のストックが深くもぐり込み力が入らない。横殴りに顔に吹き付ける雪が辛い。アウターの下はアンダー一枚だけなのだから寒くて当たり前か、
人生これ辛抱也・・・


   
横堂からの雪稜   と   昼食場所

駐車場の車は雪に埋もれていた。と言うのは大嘘(笑)
日本海からの季節風に乗った横殴りの湿った雪が側面に付着している。車の陰で靴を脱ぎ払い落とした雪を置きみやげに、いざ我は温泉を目指さん。

待っておれ摩耶山(メラメラ)!
と、意味のない強がりを一言発する。


それにしても快適なスキーなんていつ出来るんだろう。せめてもう1m積雪があれば・・・
三ノ俣なんて家から眺めても藪が見える。

やれやれ