【錦秋の朝日稜線へ】

ユウフンからの竜門山

【日　程】2007年10月13〜14日（土日）
【山　域】朝日連峰
【山　名】竜門山(1688m)
【天　候】晴れ
【メンバ】単独
【コース】日暮沢から往復
（概　略)


10/13　日暮沢(7:50)---(10:03)清太岩山---(10:31)ユウフン山---(11:15)龍門小屋


実に長い一月であった。当然、病は限界点を越え臨界状態、そればかりか風邪まで引く始末で、鼻が詰まり喉はガラガラ、山屋は山で病を癒すのが鉄則、有無をも言わせぬ早立ち(気持ちばかりの）で日暮沢林道をひた走り小屋に到着したら、あらあらたいした数の車である。そそくさと準備をしゆっくり尾根に取り付く。

稜線は厚い雲の中に隠れてはいるが、天気は確実に良くなるのがわかってたので、だんだんピッチを上げる。
と言うのは大嘘で体が鈍り全然足が上がらない。しかし、暑い夏が恋しくなるほど涼しい空気が辛い登りを助けてくれた。
ゴロビツを過ぎ慰霊碑前まで来たら先行者が休んでいた。ふと視線を上げると見る見るガスが切れ稜線が現れた。

一瞬体が固まり、すぐに腹の底から「ウォ〜〜〜!!!」と絶叫･･･

　　　
言葉が出ない･･･

清太岩山からユウフン、竜門山に至る尾根筋には今まで見たことのない艶やかな錦秋の絨毯がすさまじい色合いで燃えている。
朝日に今まで通って初めて目にする素晴らしい光景に言葉を忘れる。
この光景を文字で表現する術を私は知らない･･･

　　　
敢えてコメント致しません


　　　

自然が織りなす奇跡的な秋の芸術は、この世のどんな至宝より尊いものだろう。
今この場にいる幸運を感謝するとしたら、朝日の神様以外思い当たらない。
ここから竜門山までの稜線歩きは、散々悩んでた下界の煩悩を完璧に雲の彼方に吹き飛ばし、天女になったような気持ちでゆっくりゆっくり歩を進めた。
当然カメラが手を離れることはない。ふと気付けば風が異常に冷たい。

　　　
ユウフン山周辺が最高！


　　　

稜線を吹き抜ける風はけっこう強く冬の風だ。主稜に取り付くと懐かしい相模尾根の展望が迎えてくれるも、寒くて寒くてたまらず急いで小屋に駆け下った。
小屋の中では管理人のE藤さんが休憩者と談笑中、挨拶して荷物を置かして貰い昼食のおにぎりを取り出し頬張ると少し落ち着いた。休憩者が去るとすぐに冷たい朝日ビールの歓迎を受けたが、さすがに寒くて大変だったが恒例行事、ありがたく頂く。
ちなみにE藤さんは珍しいことにコンロで日本酒を熱燗していた。
エベレストを極めた天下のE藤さんも「寒い」を連発していた。

　　　
・・・(;´･`)> ふぅ

気持ちの中では狐穴まで足を延ばし相模山あたりをぶらつくつもりだったが、「予定無いんでしょ？」のE藤氏の一言で結局、外の寒さも手伝ってか、いつものパターンで尻に根っこが生えてしまった。
その後小屋を訪れる登山者を暖かいホットウイスキーで誘惑するも、皆さん結構意志が固く次々に出立･･･
2時頃Ｍ沢さんがヒョッコリ現れる。

E藤さんは前日に地元の芋煮会でしこたま呑んだそうで、この夜は･･･
その代わりＭ沢さんとワタクシメが壊れるほど･･･f(^^;)
愛の説教部屋から放り出されたのは何時だったんだろう？･･･



10/14　龍門小屋(12:15)---(15:30)日暮沢


翌朝は冷たい風がとても強く、外に一歩踏み出すにも勇気がいる。
それでも次々周回者達が出発していく。筑波から来たという若いカメラマン氏と暫く写真談義、彼は十日間くらい上界に留まり一人撮影に専念するらしい。ちなみに入山したのは10/8とのこと、いいなあ･･･
完全装備で竜門山へ登って行くのを見送る。長期の粗食が堪えたのだろう、昨夜の宴会では必至に肉類のつまみを貪っていた。

この日は小屋終い、ろくな役にも立たないが少しだけお手伝いし、狐穴からA達さんらを待つも、南寒江山を過ぎたあたりでバルブの閉め忘れに気付き一人戻ったそうで、およそ二時間の待機、昼食も御馳走になる。
さすが狐穴の主、最終日に二回も小屋に行った事になるA達さんをからかい、一緒に小屋を出発したのは昼過ぎ、この頃には朝の天気が嘘のように回復し快晴となり、皆さん半袖シャツ一枚で下る。

山は昨日以上に錦秋が素晴らしく、ユウフン池手前のピークで皆どっかり腰を下ろして無言で稜線を眺めてる絵･･･
未練タラタラの我々にＫちゃんが賑やかに吹き出す(笑）

清太岩山でも後ろ髪を引かれまったりと展望を楽しみ、今年の朝日通いもこれにてお終い、後は白いものを待つばかりなり･･･

　　　
ユウフン池を見下ろす　　と　　高度差がすごい


　　　
寒江山方面　　　と　　　障子方面

　　　
大朝日岳方面　　　と　　　青空に映える



憧れの相模尾根
（来年きっと・・・）