【エイプリルフール・・・鳥海三ノ俣】
                             (山スキー)


誘惑している雪山(背後は天主森)


【日 程】2006年4月1日(土)
【山 域】鳥海山
【山 名】天主森途中まで(1135m)
【天 候】晴
【メンバ】単独
【コース】さんゆうから往復
(概 略)


さんゆう(8:10)---(10:05)鈴木小屋(10:12)---(11:10)森林限界(11:27)---(11:40)鈴木小屋昼食(12:35)---(13:25)森林限界(13:45)---(14:20)さんゆう


今日はエイプリルフール、higurashiさんより山行きの誘いを受けるもののすっかり騙された。結局、会社に急病の嘘をついて単独で今期四度目の三ノ俣へ、前日まで冬があまりのラブコールに舞い戻り、この時期珍しい新雪をラッセルしながらの山遊びとなった。まあ、嘘が公然と許される日は一年のうちこの日だけ、某議員もこんな日に騙されたら誰も傷つかないんだろうがね・・・

新雪は下部で10p程、初めからシール登行、今日はまだ誰も登っていないバージンスノーを独り占め、天気予報では昼頃から晴れ、今は曇っていて上は見えない。今日は月山森まで行く気は更々ない、ゆっくり動物たちの足跡や木々を眺めながら登る。野ウサギやカモシカの足跡が交差しながらどこかへ続いている。兎も恋の季節か相撲を取った跡がかなり残っている。

純白の雪原を注意して見ると、タイムマシンに乗ったかのように、いろんな事が見えてくる。動物達の躍動の季節に入ったようだ。
中間部でおよそ30pの新雪、スキーでも結構潜る。切り通しを避けブナの木立の中を進む。ここのブナは一箇所に数本固まって生長している。共生と言っていいかも・・・果たして百年後、このブナは一体どんな生長をしているのであろうか?


            
学校の遠足?みたいな足跡
and
このブナは百年後どんな姿に?



鈴木小屋はだいぶ雪解けが進み一階の窓も見えてきた。二階の窓から入るのは高く容易でない。一旦スコップで入口の雪を掻き出そうと試みるもすぐに諦めた。まあ、何とかなるだろう。今日はこのままブナ林の中に分け入りショートカットしよう。少しずつ陽差しが出てきてブナの枝に着いている霧氷が、パラパラと音を立てて落ちてくる。どっしりと太いブナも良いが、ここのブナは細い。けれど何故か心が落ち着くのだ。
標高は1000m程、森林限界も近い、冬は日本海からの季節風が厳しい条件下では成長もこれが限界なのかも知れない。精一杯伸ばした枝がとても愛おしい。


   
鈴木小屋  と  ブナが愛おしい


途中から本来のルートに合流し森林限界まで、何故かここから見る月山森や天主森はいつも光り輝いている。山が登山者を安易に誘っているようにも感じるが、これも先日少々怖い目をしたやっかみか?
今日も青空に映える純白の姿に誘惑されそうになるが、アカンベーをするとすぐに気を悪くしたのか雲に隠れる。やれやれ、困った美女だ・・・


   
月山森が呼んでいるのだ


今シーズンはもう諦めていた新雪滑降、少し雪は重いものの気持ちいい。ツリーランや米沢頭からの誰も踏み跡を付けていない雪面へのアプローチに心が躍る。はっきり言って完全な自己陶酔、馬鹿だねえ〜・・・
途中若い単独のテレマーカーが登ってきた。少し話し鈴木小屋へ、缶ビールで一人乾杯し定番のカップ麺で昼食休憩、暫くするとさっきのテレマーカーもやって来て暫し談笑、最近地元でもテレ人口が増えたそうで盛んにテレマーク教に入信を進められる。でもねえ・・・

あまりに楽しい滑降だったので、再度シールを貼り直し森林限界まで登る事にする。折角ラッセルしたトレースを有効に活用しようと登り直すと、はて?・・・何故か同じ事を考えてる人もいたようで誰か先行した模様、途中から覚えのないシュプールが現れた。姿は見えぬがかなりの達人の様子、や、やられちまった・・・


   
自己陶酔の世界
私のシュプールはどれ?



森林限界でもう一度美女にゆっくり挨拶し後は一気滑り、今シーズンは多分最後であろう新雪滑走を十分楽しめた一日であった。
これも嘘つきhigurashiさんのお陰と改めて感謝申し上げたい(^_-)