【月山森敗退の記】
                     鳥海三ノ俣口(山スキー)


ホワイトアウトの中の霧氷

【日 程】2006年2月19日(日)
【山 域】鳥海山
【山 名】月山森(1650m) but1270m地点にて敗退
【天 候】ホワイトアウト
【メンバ】単独
【コース】さんゆうから往復
(概 略)


さんゆう(8:20)---(10:07)鈴木小屋---(11:09)森林限界---(11:57)天主森直下1270m地点---(12:20)鈴木小屋(13:30)---(14:00)さんゆう


先日テレビで久々に風間杜夫を見た。風間杜夫と言えば我々の世代にはなんと言っても蒲田行進曲、銀ちゃん、ヤスの世界だ。あの頃は小夏も若くきれいだったなあ・・・
蒲田行進曲と言えばなんと言ってもラストのヤスの階段落ち、「カアット」の声が懐かしい、階段の高さは確か10mだったと記憶しているが・・・

さて、3週間ぶりの鳥海、天気予報では天晴れのマークが点灯していたが、鳥海は終日視界無し、先週の刈田岳もホワイトアウトに恐れをなし尻尾を巻いての退散であったが、どうも最近天気の神様に見放されたようである。

少し寝坊したので焦って荷物をまとめて持ちながら自宅の階段を駆け下りる。途中何故か不思議なことに踵が宙に浮いた。そのまま見事に「滑落」。腰付近と右肘を強打し暫く動けなかった。実は昨日、以前から頼んであった滑落停止用具を某店に取りに行って本日持参であったにもかかわらず何の役にも立たなかった(当たり前だ)。
家人が轟音を聞きつけ何事かと飛んできたがあきれ果てた視線が冷たい。これも遊びほうけている天罰か。

でもきっと今日は快晴と信じ家を出るも鳥海は雲の中、さんゆうの駐車場はまだ誰も来ていない。ゲレンデの上まで登ったら二台の後続車がそそくさと準備しているのが見えた。造林小屋上の急斜面を登っていたら後続が見えた。それからあっという間に追いつかれ先行してもらう。速いなあ。聞けば鶴岡からの6人パーティー、ここには毎週末来ているとのこと。こちらは今シーズンまだ2回目、体も何も出来ていないので先行してもらい鈴木小屋までありがたくトレースを使わせていただく。

彼等は鈴木小屋で小休止、ここからは昨日降った新雪を踏みしめラッセルの開始、米沢頭で新雪は30p程あるだろうか、相変わらずブナ林の登行は苦しいながらも気持ちよい。この日は昨日降り積もった湿った新雪が重いも久々のラッセルが何故か面白い。葉を完全に落としたむき出しの白い樹皮が、何故か純白の雪に妙にマッチし心が落ち着く。

しかし、森林限界を抜けると完璧なホワイトアウト、途中先行していただいた単独男性がシールを剥いでいる。聞けば小屋まで戻り天気見とのこと、こちらは天気の回復を信じ適当な方向にチンタラ先に進む。でも一向に天気が良くなる気配はない。とにかく風がないから雲が流れないのだ。

チンタラチンタラ登っていたら先程のパーティーに追いつかれ、どうするか協議、もう少しだけ登って見るかと言うことで合流させて貰う。ホワイトアウトの中適当に指さし、たぶんあの辺が天主森だろうと相談するが、天気の回復も望めそうもないのでここまでとする。いつもは風で吹き飛ばされる雪もまだ着いており、新雪滑走が楽しめると皆喜んでいる。そうと決まれば速い、皆、蜘蛛の子を散らすように下っていきすぐに視界から消えた。私はトレースを追いながらしんがりをゆっくり下る。

樹林帯まで下れば視界も確保でき新雪のツリーランをそれぞれ勝手に楽しむ。米沢頭から小屋までもパフパフで良い感じだ。ここで昼食、さすが大人数のパーティーだ。大鍋やフライパンなど準備に抜かりがない。すっかりご馳走になってしまった。ボーダーの人達もいて鈴木小屋の二階は本日満員御礼、話を聞くと皆さん自転車乗りのお仲間とか、冬分の自転車をこげないときだけの山岳会だという。道理でみんな馬力がある訳だよね・・・

あまりの雪の良さに気をよくして、皆でもう一度森林限界あたりまで登り返すという。私は温泉恋しさもありここでお別れした。

朝の蒲田行進曲の影響か腰がうずく・・・

あわよくば月山森を狙っていたのだが、見事敗退の一日であった。Fu〜・・・