【土湯山再訪】
          (山スキー)


最上川スキー場と最上地方の山々を見渡す

【日 程】2005年2月6日(日)
【山 域】山形県戸沢村
【山 名】土湯山(576m)
【天 候】時々雪
【メンバ】単独
【コース】
(概 略) 高屋駅から往復

高屋駅(11:10)---第二リフト終点(12:11)---(13:00)土湯山(13:25)---(13:38)標高400m地点で休憩(14:30)---(14:50)高屋駅


先日スキーテストのため途中敗退した土湯山が、妙に心に引っかかっていて、気になってしょうがないので再訪した。
連日の大雪で毎日雪かきに汗を流しているので雪なんか見たくもないのだが、今日も出がけに30分ほど雪かきし、あわてて出発した。

車中なんか妙な不自然さが気になっていたのだが、突然スキーを忘れたことに気付く。大慌てでUターン。
スキーしに行くのにスキーを忘れるなんて・・・
以前、登山口に着いて登山靴を忘れたことに気付いたこともあるが、最近無いオオポカをやっちまった。まあ誰も隣にいないから笑う人はいないだろうが・・・
およそ30分のロス

高屋駅は保線区(今時保線区なんて知らない人が多いかも)の人達が駅舎の雪下ろしの最中、閉鎖中のスキー場へ向かう、スキーを担いだ変なオッサンに怪訝な視線が集中する。ここは知らんぷりして、そそくさと通り過ぎるべし。

大雪の恩恵かゲレンデ途中のブッシュもほとんど雪に埋もれ、純白の雪原が目の前に広がる。当然誰の踏み跡もない、今日もラッセルだ。
第二リフト終点までおよそ一時間、ここから先は未知の領域、夏期は散策路があるはずなのでそれらしき道跡を探す。多分右側の稜線まで斜めに登って行くんだろう。
この辺まで来ると雪質がパフパフである。当然スキーも沈むので難儀する。でもこの感覚がとても楽しいのだ。



第二リフト終点からの山頂方面
右斜め方向がルート

稜線まで上がると風が強くブナ林の中を行く。少し進むと正面に迫力ある急な一枚バーンが現れた。夏道はここをジグザグに登るのであろうが、雪に埋もれて何も判らない。
何となく斜面をスキーで切ると雪崩が起きそうな感じがしたので、側の樹林帯の急斜面に取り付く、相変わらず雪は深くお昼も過ぎたのか空腹を感じる。
斜登行を繰り返し何とか稜線にたどり着いたと同時に吹雪となり視界が消えた。


   
稜線まで上がると最上峡上の山が見渡せる
右の写真は山頂直下の急斜面


一休みしてブナの木に寄りかかり、コンビニおにぎりを取り出し一個食べる。
平らな雪原ををクライミングサポートを立てて歩く(単にものぐさなだけ)のは変な感じだ。私的な感覚ではあるが、テレビで見た花魁道中の花魁の歩き方に似ているような気がした。変な想像が連鎖し一人笑いをする。

地図を取り出し山頂方向を確認し、歩を進めるとすぐにマイクロウエーブの鉄塔が吹雪の中から姿を現した。山頂付近はなだらかなブナ林、どこが山頂か判らない。三角点も遥か雪の下だろうし、鉄塔の管理棟の側で風をよけシールを外す。見上げると屋根に降り積もった雪が巨大な塊となり落ちかかっている。今日は凍っているから落ちないだろうが、下にいるのは気持ち悪いのですぐに滑降モードに切り替え下る。


  
山頂の鉄塔と下手なシュプール

好天なら山頂で少しゆっくりしたい雰囲気だが、寒いので途中まで下り、風の当たらない見晴らしの良いところで、ツェルトを引っ被り昼食大休止、定番のカップ麺を食し、温かいコーヒーを入れてゆっくりする。

雪が舞い視界は効かぬものの、たった一人の雪山は楽しく時間の経つのを忘れる。墨絵のような単調な色合いの景色と、時折響く風の音、静寂と冷たく張りつめた空気は、緊張と安寧が同居した不思議な安らぎを醸しだし、まどろみを覚える。

何となくここにはまりそうな気がする、また来ようっと・・・