【晩秋の焼石岳】



【日 程】2004年11月7日(日)
【山 域】焼石連峰 岩手県
【山 名】焼石岳(1548m)
【天 候】曇時々晴 風強し
【メンバ】単独
【コース】中沼登山口 → 金明水避難小屋 → 焼石岳 → 銀明水避難小屋
(概 略) → 中沼登山口


中沼登山口(7:10)---尿前沢渡渉点(7:34)---(8:54)金明水避難小屋(9:13)---牛形分岐(9:31)---六沢山(10:13)---東焼石岳(10:30)---姥石平分岐(10:49)---(11:06)焼石岳山頂(11:13)---姥石平分岐(11:27)---(12:01)銀明水避難小屋(13:00)---(13:58)中沼登山口


3時50分に自宅を出発、途中休憩も含み3時間と少しのドライブ、国道13号を北上し十文字町から右折、焼石ビーチライン(不思議な名前だ)にて岩手県胆沢町尿前から左折、林道を8q進むと中沼登山口駐車場、結構大きい駐車場だ。途中ダム建設による付け替え道路の高架橋建設中、日中は交通規制がある模様。ビーチラインは紅葉が綺麗なのだろうが、今の時期は全ての葉が落ち早朝の山肌は日も差さずダークなイメージ、工事中のため入口が判りづらいが、注意してみると案内看板が設置してあった。

焼石岳は麓を何回か彷徨いたことはあるが、何故か今まで登ろうとは思わなかった。今回MLのkanaさんのレポを読んでから登行意欲が内から沸々と沸き上がり、時季外れではあるが登ってみることにした。

中沼登山口には岩手ナンバーの車が数台、中沼コースの案内看板に従わず林道へ歩を進める。だんだん道が狭まりじきに登山道の雰囲気になる。渡渉点までは平坦な道が続き天竺山と思われるピークがピラミダルで格好良い。あの麓まで登るわけだ。少し風邪気味なのか鼻が詰まり口呼吸しか出来ず辛く、早朝の冷気が肌を刺す。尿前沢の渡渉は裸足で膝までの覚悟をしていたが、飛び石伝いに簡単に渡れた。多分かなり水位が落ちているのだろう。ここから少し急になり沢と平行に高度を稼ぐ。

途中何とも困った奴が待っていた。シーズンオフであまり人も歩かないのだろうか、今回は次回の下見のつもりで来たので、装備は夏装備にフリースを持っただけのデイパック一つである。フリースというのは結構嵩張るのでザックはパンパンである。こういう時に限ってあるんですなあ、困ったことが・・・
ふと道端に目をやると倒木にナメコが鈴生りである。はてさて、どうしたものか・・・採ってもザックに入るか?幸いスーパーの買い物袋が一枚入っていたので、良いところだけガバッと採ったら袋一杯になってしまった。あらら、困ったねえ・・・
せっかくの山の幸、誰かさんには悪いけどザックを数回地面にバウンドさせ、何とか詰め込んだ。先を急ごう。

途中数名のパーティーとすれ違う。金明水泊まりの様子、お互い初めてのコース、情報を交換する。
定かでないが、青岩乗越からエアリアとは違った道が出来ていると思われる。尾根伝いに暫く登ってから天竺沢に降りるようだ。確か新コース云々の看板を途中で見たような気がする。後は小沢を何度か右左に渡りながら登る。所々にペンキマークや赤布があり大丈夫だった。雨降りとか沢が増水していたら歩き辛いだろう。じきに金明水にポンと出る。

避難小屋はとても新しく立派である。中に入りしばし休憩、早速名水の誉れ高い金明水を汲みに行く。小屋の中は気温11度、結構暖かい。おにぎり一個ほおばり先を急ぐ。ここからは結構アップダウンがあり風邪ひきの身には辛い。何となく雰囲気が朝日の西朝日岳付近に似ている気がする。稜線上の風は強い。体ごと持って行かれそうな突風が時に襲う。この後、高度が400m程上がるから気温、体感温度とも相当下がるだろう、今のうちに合羽の上だけ着てフードも被る。もう一張羅のTシャツに薄手のラガーシャツでは問題外である。中年の哀愁漂う風体であるが背に腹は代えられない。自分でも呆れるが、年中山では同じ格好だ。

六沢山のピークでは、じっとしていられない風圧、でも視界は悪くない、北上方面が見える。ここまで上がると下ではあんなに格好良かった天竺山が変な姿、変わりに経塚山が良い感じである。夏油への縦走面白いかも・・・
未だ焼石本峰は見えない。ここからまた下り東焼石岳まで登り返す、結構な標高差がありそうだ。じっとしていると体が冷えてくるので動くしかない。金明水からここまで誰とも会わない。花の季節だったらさぞかしたくさんの花が咲くことだろう、刈り払いもあまりされていない様子、つまり歩く人がそんなにいないのだろう。暫し夏の幻想を抱きながら歩を進める。

程なく平坦な台地に到着、コースロープが張ってある。ひときわ高い標柱があり見ると東焼石岳の表示、上の方にエビの尻尾が出来かけている。道理で寒いわけだ。ここで1507m、焼石岳で1548m、やれやれ、まだ登るのか、本気でこのまま帰ろうかと思った。遠くに目をやると数人の登山者が・・・バカは私だけではないと思うと安心して焼石本峰へ向かう気になった。

山頂はだだっ広い、地元の単独の方とほぼ同時に到着、記念写真を撮り合う。展望はまずまずなので確認できるピークの名前を教えていただく。焼石に初めて来て金明水経由でやって来たと言ったら、あきれ顔で見られた。私は何か変なことをしたのだろうか?
後はひたすら下るだけ、寒くてたまらず走って下ったら、さっきのおじさんにしっかり見られてた。こんな事をやるから変な目で見られるんだろうなあ。
ここの登山道は石がゴロゴロして歩き辛い、本人の自覚はないが、かなり疲労がたまっているのか、足が上がらず引っかかり、何回も転びそうになる。
それにしても、この山は水が豊富だ。今でもこれだけ水量があるのだから、夏でも水筒なんていらない気がする。程なく銀明水避難小屋が見えた。

ここも綺麗な小屋である。土足で入るのを躊躇っていると「土足でどうぞ」の張り紙、中にはいると地元山岳会の一団が賑やかに談笑している。傍らに陣取り昼食大休止とした。景色が良く夜景も綺麗とのこと。機会があれば一泊したい小屋だ。ゆっくり休憩し出発、焼石への登山客はこのコースに集中するのか道は良く踏まれ整備されている。途中、上沼や中沼から振り返ると綺麗に連峰が見渡せた。今度は花の時期に再訪したい。


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