【錦秋に染まる障子ヶ岳】



【日 程】2004年10月17日(日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】障子ヶ岳(1481m)
【天 候】晴
【メンバ】単独
【コース】大井沢バカ平→紫ナデ→障子ヶ岳→粟畑→天狗角力取山→天狗小屋→バカ平
(概 略)


バカ平(6:03)---登山口(6:21)---紫ナデ(8:00)---(8:45)障子ヶ岳(8:53)---粟畑(9:38)---天狗角力取山(9:47)---(9:57)天狗小屋(12:50)---(15:50)バカ平


最近雑用が続いておよそ1ヶ月振りの山行である。天気予報では快晴だったので、前夜散々迷った挙げ句に、およそ十年振りに障子ヶ岳に向かう。以前来たとき障子ヶ岳から紫ナデ経由で下山した際、あまり良い印象がなかったので(下りが辛かった)今回は登りに使うことにした。

バカ平には結構な数の車が留まっており泊まり組が結構登っているようだ。暫く林道なりにだらだらとした歩きが続く、登山口付近で二人組の茸採りが沢に下っていった。ここから結構な急登が暫く続く、久方ぶりの山歩き、息が上がらぬようにゆっくり進むと汗が出てきた。昨夜はだいぶ冷えていたのか登り始めは結構寒かった。途中たまらず一枚脱ぎ、Tシャツ一枚で登るが時折吹く突風が肌を刺すように冷たい。道中、1パーティーと単独の方に道を譲って貰う。すれ違いざま、はて、どこぞで見た顔の方だなあと思うが先を急ぐ。

1000m前後の紅葉が真っ盛りで時折足を止めシャッターを切る。目指す障子ヶ岳はガスの中、時折差す陽差しが気持ちと体を温めてくれる。西川山岳会の諸氏が、冬季登攀したダイレクト尾根を眺めては、ため息をつき登る。
1200m付近から一旦下り、そしてまた急登、何しろ十年近くこのコースは歩いてないので記憶が不確かで、思い出しながら登る。時間と比例してだんだん足が重くなる。このコースは天狗小屋まで水場は無いので、2リッター近くの水を持参したが、寒くてたいして汗はかかないので喉が渇かない。

紫ナデまでたいした休憩も取らずに登れた。さすがにここまで高度が上がると寒くて一枚羽織る。黙っていると寒いので、ここでも休憩を取らずに先へ進む。高所恐怖症の身には辛い登りが続く。道の左側はすぱっと切れ落ち迫力がある。ここまで来ても山頂は晴れない。シャリバテか足が上がらない。

山頂直下で単独の男性とすれ違う。天狗泊まりの様子。紫ナデから45分かかって山頂、展望はない。とりあえず三角点に腰を下ろし、おにぎり2個をたいらげる。やっぱりシャリバテか、少し雲が切れ一瞬以東岳が見えるが、すぐにまた消えた。寒くてたまらず即出発する。山頂を下り始めると皮肉なことにガスが切れ始めた。障子池まで来たらもう快晴である。もう少し粘れば展望が、、、後の祭りである。このころから天狗泊まりのパーティーと頻繁にすれ違う。昨夜は14名宿泊で夜は寒くてあまり良く眠れなかったとのこと、下であの寒さだから小屋の中もさぞかし冷えたことであろう。

粟畑付近からの展望は晴天の元、紅葉が素晴らしい。暫く見とれる。障子ヶ岳もこちらから見る方がピラミダルで端正だ。天狗角力取山まで足を延ばし、東根からいらした単独の男性と暫く景色を眺めながら談笑、以前来たときより土俵に草が増えたように思った。
そういえばMLのメンバーが、昨日ここから以東方面に向かっているはず、700m下って1100m登り返して以東岳、まあ下からここまで登るのも大変だし、面白そうだが私には無理かな、、、
時間も早いので天狗小屋でゆっくり休憩してから下ろうと思い小屋に向かう。そういえば新装なった天狗小屋に入るのは初めてだ。

小屋に入ると先程道を譲って頂いた単独の方とほぼ同時に到着の様子、靴を脱いでいると、どこかで合いましたよねと言われた。さっきから考えながら登ってきたのだが、2年くらい前に龍門小屋で多分御一緒したはずと思い言ってみると、何となく思い出していただいた様子、確かあのときは高級ウイスキーを鱈腹御馳走になり這々の体で下山したと言ったら、間違いないとのこと、西川山岳会のK池さんという方だった。

小屋は今日で水洗トイレの水も止め、小屋閉めの手伝いにいらしたとのことだった。これからは冬季避難小屋となり完全に無人となるそうだ。管理人のY田さんに暖かいコーヒーを御馳走になる。この日は天気が良いからか休憩のお客さんが一杯で、下山できない様子、何やかやとお話を伺いながら昼食まで御馳走になった。ありがとうございました。
そしておまけ、可愛い顔をしたすごい男が天狗小屋にいました。

10/8に入山し昨日10/16天狗小屋に入ったという強者、入山場所が月山第1トンネル付近の沢で石見堂岳、赤見堂岳、大桧原山、と稜線を縦走し、紫ナデに出て昨日天狗小屋に入ったという。全て藪こぎ、ツェルトビバーグ、道無き道を走破、その人の名は茂手木さんと言う。東京からいらしたらしい。
道中、台風その他悪天のため停滞4日、熊には幸い会わず(過去に3回会ったらしい)朝日に初めて来たそうで、熊を猫のようで可愛いと言いました。うーーむ、、、

交通手段はヒッチハイクがメイン、こんな感じであちこちの山に出没してるらしい。野人とでも形容しようか、ある人はどこでも生きていけるねとは誉めているのか?
まあ、藪や沢歩きを好む人は、こんな事は平気でやるそうですが、素人は決して真似しない方が身のためでしょう。

天狗小屋では何やかやと、ホットウイスキーまで御馳走になりながら3時間ほど談笑させていただいた。最後のお客さんが帰ってから掃除の手伝いをしてから4人で下山開始、粟畑の巻道は来年から閉鎖とのこと、紅葉を暫く眺め皆で良いねえとため息、一輪の季節はずれのイワカガミが咲いていた。Y田さんのキノコ講習を聞きながらゆっくり下山、茂手木さんとK池さんはそこそこのキノコをお土産にしたようだ。このコース久方ぶりに歩いたら結構楽しい、Y田さんのお話では、春と秋がお薦めだそうだ。

好天の秋の一日とても楽しい山遊びであった。

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