【中年登山隊、虎毛に酔う】

【日 程】2004年9月11日(土)
【山 域】虎毛山
【山 名】虎毛山(1432m)
【天 候】晴
【メンバ】東北の山MLの3人
【コース】
(概 略) 駐車場から山頂往復

車道終点(7:00)---(7:37)渡渉点---(9:04)分岐点---(9:52)山頂(11:23)---(11:50)分岐点---(12:45)渡渉点---(13:28)車道終点

二年振りの虎毛山には東北の山MLのkanaさんとA.TOMさんのお二人と御一緒する機会を得た。本当は虎毛山から高松岳まで一泊で縦走の予定だったが、諸事情により日帰りとなり、川原毛地獄の大湯滝に浸かり、木地山キャンプ場で満天の星の下、露天風呂に浸かりながらの宴会と大変充実した楽しい山行と相成った。


朝焼けの雲が美しい

まだ暗い4時半前に自宅を出発、途中朝焼けがあまりに綺麗だったので車を何回も止めシャッターを切る。真室川の辺りでは丁山地の山々のシルエットがくっきっりと見え本日の晴天を確信する。そういつまでも雨男なんて言ってられない。約束では7時半の集合だったがkanaさんとほぼ同時に少し早く到着、初対面の挨拶をして一息入れているとA.TOMさんも到着、どうも我々の時計は1時間ずれているらしい。いや中年は時間にせっかちなのか、早速登山口に向かう。

おしゃべりをしながらゆっくり渡渉点までの道を進む、そこは好き者同士話題に事欠かず、わいわい言いながら進むと最後の水場の橋が架かっている渡渉点、水を補給し急登に向かう。A.TOMさんがゆっくりペースを作ってくれるのでそんなに汗もかかずに登ることが出来た。登山口では半袖では寒いくらいだったが林間を走る涼風が心地よい。ここの急登は高松縦走の分岐点までおよそ600mの高度差、そこから上はだらだらとした登りが200mほどだ。


kanaさんとA.TOMさん、縦走路分岐にて
共に美男子なのだが、本人の掲載許可を得てないのでリサイズしてます。


栗駒がすぐ近くに見えた。

山頂は天気視界とも申し分なく360度の展望、遠く岩手山や早池峰山も綺麗に見えた。なんと言っても嬉しかったのは、冷えたビールと箱入りの「萩の月」A.TOMさんの心遣いが嬉しかった。木道脇のベンチで何やかやと1時間半ほどおしゃべり(まったくどこかのおばちゃん連中と変わらない)と展望に興じ避難小屋を覗いて下山する。本当はここで宿泊の予定だったが、まあ仕方ない、次の楽しみとしておこう。高松への縦走路を恨めしく眺めながらゆっくり下り無事下山。

登山靴を脱ぐと皆車に乗り込みA.TOMさんの先導で川原毛地獄の駐車場を目指す。道は秋の宮温泉から少し下った所を右折しくねくねと蛇行した細い道を急ぐ、およそ40分で駐車場に、そこから遊歩道を大湯滝目指して下る。下ると言うことは帰りに登ることになるのだ。下にも駐車場が無いわけでもないが、ここに行くには泥湯温泉経由でさらに細い道を20qも運転しないと行けないらしい。中年登山隊はは歩くことにこだわるのである。

目指す湯滝は土曜日だけあってかなり人がいる。事前に水着を持参せよとの指令が出ていたので脱衣所に入りぱぱっと着替え、そろりそろりと湯に入る。湯加減はちょうど良い、大人の背がやっと立つぐらいの深い湯船で首まで浸かる。ううむ極楽である。滝壺に修験者よろしく向かうが水圧でパンツがずり落ちる。それから中段の滝壺に向かう、しばらく入っているとのぼせてきた。飛沫が目にしみてゴーグルを持って来たほうが良かったと皆の意見。でも、中年のおっさんが3人で水着にゴーグルして温泉に浸かっている光景は考えただけでぞっとする。


大湯滝前にて

男性は、すっぽんぽんで入る人もいたがやはり公衆の面前、水着着用がエチケットだろう。それにしてもここは癖になりそうな温泉だ。降雨後や寒い季節にはぬるくて出られなくなるそうだが、この日は本当にちょうど良い湯加減、心ゆくまで堪能した。

駐車場に昔懐かしいアイスクリーム屋さんがいて、湯上がりにごくんとのどが鳴った。しかし財布は車の中に置いてきた。幸いにもkanaさんがお金を持っていたので皆で食べることが出来た。このおじさんが親切にも上の駐車場まで送ってくれるというのでご厚意に甘える。登っていくのと車で行くのは時間的にそんなに変わらないと言うが、中年登山隊の本音は、風呂上がりは登りで汗をかくのは嫌なのだ。ここで登山隊のこだわりの決意はもろくも消滅した。後はすぐ近くの木地山キャンプ場にて宴会である。中年登山隊は基本的に酒好きである。

通常、山の上では装備も限られ慎ましい宴会だが、今回はオフシーズンのキャンプ場、それぞれ装備を出し合うと大抵の道具が出そろい立派なオートキャンプの雰囲気、冷たいビールで乾杯し楽しい夜が更けていった。夜も更けると気温も下がり寒くなってきた。中年は足下から冷えてくるので皆ですぐ側の露天風呂へ浸かる。湯沢からいらした沢屋のおじさんと山談義をしながら満天の星空の下ゆっくり浸かる。まったくここは天国である。それにしてもあんな綺麗な天の川をゆっくり眺めたのは何年振りだろうか。暫しおじさんメルヘンに浸る・・・
湯から上がるとそこは温泉効果、全然さめないので冷たいビールでまた乾杯し、さらに宴会は続くのであった。

kanaさんとは初対面であったが、そこは山好き同士、旧知の友人のようなとても楽しい集いでありました。
両名に深く感謝し、再会を誓い散会とした。


木地山キャンプ場にて
奥に見える石積みの向こうが露天風呂