【雲海に浮かぶ朝日連峰】


雲上の龍門小屋から以東岳まで

【日 程】2004年8月27日(土) 〜 28日(日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】竜門山、寒江山、大朝日岳
【天 候】曇後晴
【メンバ】単独
【コース】7/24 日暮沢→竜門小屋→寒江山→狐穴小屋→竜門小屋
(概 略) 7/25 竜門小屋→大朝日岳→日暮沢へ下山


*8月27日(土)


日暮沢(8:00)---(9:20)ゴロビツ水場---(10:14)清太岩山---(10:41))ユウフン山---(11:21)竜門山---(11:32)竜門小屋(12:26)---(13:36)寒江山---狐穴小屋(14:32)---(15:04)寒江山---(15:45)竜門小屋 

夏の暑い日も去り涼しい風が吹き渡る登山日和の朝である。庄内地方は雲一つない晴天であったが、112号の月山トンネルを抜けたとたん、どんよりとした曇り空、何でこんなに違うのと一人文句を言いながら日暮沢へ急ぐ。今年3回目の朝日はなかなか良い顔をしてくれない。日暮沢の駐車場には6〜7台位か、新潟市内からいらした男性と前後して出発、気温が低いのかそんなに汗もかかずに順調に高度を稼ぐ、樹林帯の中は風もない。

清太岩山まで来ると風も出て気持ちよいが展望はガスのため何も望めない。諦めて登山路脇の花を愛でながら登る。この辺から登山口で一緒だった新潟からの人と言葉を交わしながら相前後しながら登る。はて、この天気じゃどうしようもないなと言うことで、どうしようか考えながら進むとほどなく竜門小屋に到着、団体さんが昼食中で賑やかだ。隅の方でこちらも昼食とし、とりあえず寒江山までマツムシソウ目当てで向かうことにする。

南寒江山付近はマツムシソウが結構咲いている。コゴメグサが盛期でびっしり小さく可憐な花を咲かせている。ハクサンイチゲも結構咲いている。そういえば南の方のイチゲは花弁の数が少なく、北に行く方が多くなると言う話を思い出し、探してみると9枚ある花を見つけた。普通は6枚ぐらいが相場だろうか?鮮やかな青のオヤマリンドウも結構咲いている。時間も早いので狐の小屋まで足を延ばすことにする。展望は一瞬晴れて西朝日が見えたがすぐに消えた。


花弁が9枚あるハクサンイチゲ

小屋に到着後冷たい名水で喉を潤していたら先程の新潟からの人が小屋から出てきた。竜門があまりに賑やかだったのでここまで避難してきたとのこと、さっきのグループは大朝日に向かったようだが、もっと賑やかなグループがやってくるよと言ったら困った顔をしていた。この日の狐は15人くらいだったらしい。飯豊の話を暫し聞く。

名水を汲み時間も経ってきたので竜門に引き返す。いや、狐の名水で冷やしていたビールがあまりにも美味しそうだったので急いで引き返したのが本当のところだ。この日の竜門小屋は4人ほど、皆二階に陣取っているらしく階下は誰もいない、この日は竜門、狐穴とも管理人は不在の表示、草刈りのため天狗に行っているらしい。この夜はFM放送のOldies特集をイヤホンで聴きながら一人静かな夜を楽しませて貰った。


朝日に染まる雲海とユウフン山

*8月28日(日)


竜門小屋(7:00)---(7:55)西朝日岳---(8:57)大朝日小屋---(9:15)大朝日岳山頂---大朝日小屋(9:35)---(10:45)小朝日岳(10:58)---(12:08)古寺鉱泉分岐---(13:43)日暮沢車道終点

雨男のこと、どうせ雨が降るだろうとゆっくり寝ていた。ふと目を覚まして窓を見ると陽差しが・・・がばっと飛び起きて外を覗くと雲海の上に朝日が、デジカメを持って急いで外に飛び出す。時間は五時半、見渡すと雲海の上に主稜線がクリアーに見渡せる。まさに雲上の楽園である。寝過ごしたことを悔やむが後の祭り、急いで朝食の準備を始める。まったくこんな所にレトルトのパック入りご飯なんて持ってくるもんじゃない、その間皆さん大朝日を目指して出発していく。覚悟を決め今回もしんがりを行くことにし、昨夜の残った食材を全て調理し豪華な朝食をゆっくりいただく。

小屋を掃除し外を覗くと昨日の新潟からの人がやって来た。やあやあと言うことで後を追うことを約束する。この後彼とは下山地点まで御一緒させていただいた。朝一番の竜門への登りは辛かったがそれ以上の展望が待っていた。朝日に来てこんなにクリアーな視界は何年振りだろうか?大朝日から以東まできれいに見える。雲海は清太岩山まで、稜線を挟んで新潟側は日本海こそ見えないが下の町が見える。写真を撮りながらゆっくり大朝日を目指す。これで雨男の汚名返上である。

大朝日山頂では雄大な連峰の全容が見えた。周りに目をやると飯豊が霞んで見え石転びの雪渓が視認できた。雲海の上に確認できたのは、周りの人と相談の結果、鳥海山、蔵王の山頂付近、南の方に吾妻連峰、飯豊まで、新潟方面の山はきれいに見えた。鷲ヶ巣山、光兎山などの山名をお聞きした。月山が見えないのが不思議な気がしたが、多分雲の中と言うことで意見の一致を見た。昨夜の大朝日小屋は30人ほどだったらしい。

後は下るだけ、銀玉水付近では去年の続きか登山道整備の工事が始まっていた。銀玉水でお土産の水をくみ、下ると一気に雲の中、視界が効かない。折角だからとこれも何年振りかで小朝日の頂上へ、ここの登りも辛かった。朝日鉱泉からの賑やかな団体さんに追っ払われて下山再開、雲の中にはいると気温が下がり寒いくらいだ。ハナヌキ峰からの下りはいつ来てもきつく足が痛くてしょうがない。それでも順調に高度を下げ予定通り下山、車が近くなると少し雨が落ちてきた。


雲に浮かぶユウフン山と清太岩山


あちこちで迎えてくれたマツムシソウ


雲をせき止めるダムのような連峰


端正な大朝日岳