【汚名払拭なるか?朝日に遊ぶ】



ユウフン山からの日の出


【日 程】2004年7月24日(土) 〜 25日(日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】竜門山、寒江山、大朝日岳
【天 候】曇時々晴または雨
【メンバ】単独
【コース】7/24 日暮沢→竜門小屋
(概 略) 7/25 竜門小屋→大朝日岳→日暮沢へ下山


*7月24日(土)


アメリカ橋手前(7:43)---日暮沢(8:45)---(10:27)ゴロビツ水場(10:35)---(11:37)清太岩山(11:51)---(12:25)ユウフン山(13:00)---(13:41)竜門山---(13:54)竜門小屋 


今回の朝日は雨男の汚名を雪ぐべく梅雨明けを待っての出発とした。俗に「梅雨明け十日」と申し天候の一番安定する時期だそうだが、少し前の大雨で日暮沢林道はアメリカ橋手前で通行止め、約1時間の林道歩きとなった。
林道は大きく崩れているところがダムの上で2箇所ほど、まあ無理すれば通れないことはないようだが、ダムまでは問題なく通れそうだったが、役人の考えることはわからない。

朝の1時間のロスはそれだけ気温が上がり稜線に上がるまでの発汗量は尋常ではなかった。いつもは竜門まで500mlペットボトル1本あれば余裕で登れるのだが、今回はゴロビツの水場のお世話になり2リッターは楽に飲んだ。飲んだらすぐ汗になって出るのでもう全身ずぶぬれ状態である。

それでも清田岩山まで上がると稜線上は風が結構あり気持ちよかった。この暑い中、西川山岳会のノビタ君は草刈り機械を一人で竜門小屋まで担ぎ上げていた。脱帽ものの体力だ。ご苦労さん。
ユウフン山で大休止、風で汗がぐんぐん乾いていく、ここで本日の狐穴小屋小屋番の鈴木さんに追いつかれ暫し談笑、体力回復後、少し下ると右手のユウフン池付近に何やら黒い点が見えた。何だろうとしばらく目を凝らしていると、もそもそ動き出した。くっ熊だ。距離はかなり離れているが間違いない。しばらくじっと見ていても全然動く気配がない。何やら餌を食べているようだ。

竜門小屋到着後さっそく管理人の稲葉さんに報告、最近頻繁に出ているとのことだった。その後小屋の窓からユウフン山の下の辺りを眺めていたら、黒い点が見えたのでもう一度目を凝らすともそもそ動いている様子、小屋の中にいた人達に熊がいると言ったら、皆双眼鏡で覗き始めた。稲葉さんが「あっと、こっちを向いた」なんて言ったもんだから、小屋の中にいた人達みんなが窓に殺到して見始める始末であった。

今回久し振りに朝日での夕焼けと日没を見た。寒江山に日が落ちる瞬間は胸にぐっと来るものがあった。
そして夜中の1時過ぎ小用に起き外に出て星空を眺めると、満天の星空で下界で見る事の出来ない星の洪水に圧倒された。これだから山はやめられないのだ。



*7月25日(日)


竜門小屋(6:10)---(7:04)西朝日岳---(8:10)大朝日小屋---(8:24)大朝日岳山頂(8:42)---大朝日小屋(8:56)---(10:20)古寺山---(11:02)古寺鉱泉分岐---(12:37)日暮沢車道終点---(14:00)アメリカ橋手前車着


どうやら夜更かしの大酒飲みは一人だったらしく起きるのが一番遅く早い人は出発したらしい。3時過ぎにはもうごそごそしてたらしいが当方全然気付かずに熟睡していた。あまりのネボスケぶりに隣の人に「ゆっくりですね」と皮肉を言われた。これでも4時半には起きたのになあ.....
外はガスであまり見晴らしは良くないが、ユウフン山からの日の出の瞬間は見えた。準備を終えた人達はその間続々出発、ほとんどの人が大朝日を目指すらしい、それでも大雨の影響で古寺は養殖場の手前から徒歩、朝日鉱泉は夏のバス運行は運休らしい。皆さんどのような下山ルートを選んでいるのか、中にはちゃっかり日暮沢のマイカー登山者の車をタクシー代わりに予約した人もいたようだったが。

ネボスケの出発は当然しんがり、さすがにオンシーズン、以東岳からの縦走者にばんばん抜かれる。皆さん足が速い、日頃の運動不足がたたって全然足が前に出ない。天気は回復傾向で時間と共に視界が晴れていく。大朝日小屋の大場さんが登山者と談笑している、今日は機嫌がいいのだろう。そそくさと山頂に向かい暫しの展望に満足、霞んではいるが以東岳が見えた。雨男にはこれ以上の条件はないと一人納得する。

後は下るだけとは言うものの、これからが一番辛いのだ。小朝日では巻道にエスケープしこのころから登山者と出会い始める。結構な人数が大朝日を目指しているようだ。古寺山では数人の女性グループが休んでいた。水を一口飲んで先を急ぐとだんだん暑くなってきた。高度が下がったのを実感する。日差しも暑い。

樹林帯にはいると大きなブナの陰になり直射日光は避けられるものの気温が相当高くなってる様子、登りと同様汗でまたびしょ濡れになる。三沢清水で喉を潤していると先客が話しかけてきた。何でも今年はニッコウキスゲがどの山でも全然だめらしく、上ではどうだったかとのこと。そういえば、中岳のあたりで数輪見たのが最後でろくに咲いてなかった。そういえば今回は花の印象があまりない山行だった。

先を急ぐ、何しろ1時間余計に歩かなければいけないのだから。
ハナヌキ峰の下りに差しかかる頃に雷鳴が轟き突然大粒の雨が落ちてきた。やっぱりね...そう簡単に雨男の看板を外させてはくれないらしい。雨粒は大きいが日が差している。俗に言う天気雨だ。そのうち晴れるだろうと気にせず下ると登り口に付いた頃には止んでしまった。ラッキーである。

後は長い長い林道歩きが残っている。さっきの雨で湿度が増したのか蒸し暑さは尋常ではない。やれやれである。大井沢温泉で汗を流しているとまたまた雷鳴と大粒の雨、本当に雨に好かれているようだ。

今年はまだまだ朝日に通うつもりだ。

 
中だけ付近からの大朝日の雄姿



綺麗な蝶が遊んでいた