【やっぱり雨の朝日連峰】



下山途中からの寒江山方面の稜線

【日 程】2004年6月26日(土)〜27日(日)
【山 域】朝日連峰
【山 名】竜門山(1688m)、寒江山(1694m)
【天 候】雨
【メンバ】単独
【コース】日暮沢からピストン
(概 略)

6/26 日暮沢(8:12)---清太岩山(10:47)---(12:20)竜門小屋
6/27 竜門小屋(6:50)---寒江山(7:30)---(8:07)狐穴小屋(8:21)---(10:10)竜門小屋(10:35)---清太岩山(11:41)---(14:00)日暮沢


6月第四土日は毎年朝日にウスユキソウを見に行くことに決めている。とはいうものの梅雨の真っ盛り晴れたことなど記憶にない。去年同様土砂降りの中の山行と相成った。

日暮沢迄の道すがらすぐ側の川は濁流と化しており相当量の降雨があったようだ。天気予報ではたいした雨量にはならないようだが、日暮沢は雨、当然合羽を着て歩き出す。どうも本日は私が先頭のようだ。のっけからの急登に汗が噴き出し、たまらず合羽の上だけ脱ぐ、ブナの枝に遮られ雨はそんなに落ちてこないからと油断したのかゴロビツの水場付近では、すでに下着までびしょぬれと相成った。

ここでまた合羽を着込みタケノコを探しながら清太岩山を目指す。途中大きく雪の残る箇所があるのだが例年よりかなり少なめ、稜線に出たら風が強い。ただただひたすら竜門小屋を目指す。こんな日はタケノコ汁でも作り小屋の中でゆっくりした方がよい。毎年思うことだが最後の竜門山の登りが辛い。今年はまともな山行が殆ど無いので、体が全然出来て無く足がまともに上がらない。最後の雪渓を登り詰め竜門山へ辿り着いた瞬間へたり込んでしまった。

合羽を着ていたからか、それとも余裕がなかったのか、あんまり咲いてる花を見た記憶がない。清太岩山手前の慰霊碑前に毎年咲くヒメサユリは片方がしおれていたし、いつも咲いているハクサンチドリも少ない気がした。稜線を竜門小屋へ下る、途中風が強く合羽のフードが煽られた。小屋の前には一株の可憐なウスユキソウが咲いていた。これさえ見られれば今日は満足だ。

天気が良かったら寒江山まで足を伸ばすつもりでいたが、昼食を取りながらうだうだしてると登山口で一緒だった山形からの単独の方が到着、天気は一向に回復の兆しが無く明日に賭けることとし夕刻まで色々おしゃべりしながら過ごした。

小屋は関西からの団体さんも含めて結構な賑わい、合羽を二階に干してる人達がいて、床はびしょぬれらしくビニール袋を履いて階段を下りてくる。その賑わいも7時前にはぴたっと止んでいびきの音が聞こえる。明るい内に皆御就寝の様子、やれやれである。

案の定夜明け前からガサガサと出発の準備が始まった。トイレに立つためか引き戸をガラガラと何度も開けられ熟睡できなかった。こんな天気の日には登ってくる人なんかいないと高をくくっていた階下の二人は、夜更かしの大酒呑みだから天罰があたったのだろう。
同宿の方は山形山岳会の所属で多趣味な方らしくいろんな話題が豊富でありました。一晩退屈せずに過ごすことができました。感謝 m(_ _)m



翌朝、外に出てみると雨こそ降ってないが風が強く霧で何も見えない。それでも殆どの人達は大朝日を目指して出発する。こんな時に大朝日に向かっても何も面白くないと二の足を踏んでいるのは階下の二人と秋田からの単独の男性だけ、ゆっくりして様子を見る。天気は回復傾向だから昼頃には晴れると意見の一致。私と秋田の方は7時頃相次いで寒江山方面へぶらりと出かけた。

Tシャツに合羽を羽織りサブザックに水だけ持って出発、見晴らしは利かないまでも咲いてる花は見えるので花の写真を撮りながら稜線を進む。やっぱりウスユキソウが圧倒的に多いが名も知らぬ変わった花も咲いていた。北寒江山付近ではキヌガサソウを見つける。朝日で初めて見た。今回初めて見た花は一部名前がわからなかったが、オノエラン、ムシトリスミレ(たぶん)等、ゆっくり探すといろんな花があるのだと改めて感じました。

途中お仕事で来ている測量屋さん達とすれ違い結局狐穴小屋まで足を伸ばした。名水で有名な狐穴の流れで喉を潤し引き返す。さっきの一団の話では狐穴周辺の登山道を調査していたらしい。県の自然保護課で何か整備するらしいとのこと。彼等は3日間狐の小屋を独占したらしい。

帰りも竜門までゆっくり花を愛でながらの稜線歩き、寒江山から狐穴小屋までは朝日で初めてのコース、三方境付近から表土の違いが明らかで地質学的にも面白いのではないだろうか。天気は雲の流れが速くなり視界も徐々に良くなってきており、遠く障子ヶ岳方面が確認できるようになった。もう晴れるのは時間の問題の様子、竜門小屋で軽い食事をとり下山、このころには主稜線がやっとその姿を現した。熊糞山でそのパノラマに圧倒され暫し呆然と眺める。この景色が見たかったのだ。もう少し早く現れてくれたら良かったのにと一人愚痴を言いながら下った。

リベンジ、今年は朝日に通うぞ!



竜門小屋前のウスユキソウ



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